オサーンのクルマ選び条件:エンジンが楽しくなけりゃ、ガソリン燃やす意味がない!!

オサーンのクルマ選び条件:エンジンが楽しくなけりゃ、ガソリン燃やす意味がない!!

1980_RZ250運転の醍醐味の多くは、やっぱりエンジンでしょう。
ここでも書いたとおり、走るという行為は、エンジンとの共同作業だと思ってるし。
それに、エンジンが楽しくなければ、いまどき、わざわざガソリンを燃やす意味がない!!

僕のエンジン原体験は1980年代、ヤマハ RZ250になる。
2ストローク250C.C.水冷並列ツイン。当時の4ストロークバイクが25馬力前後(リッターあたり100馬力)だった時代に、RZは35馬力を出してた。

2ストは、シャープな回転フィールが最大の特徴。加えて、RZの水冷エンジンはピーキーに仕立ててあって、6,500回転以上はまさにカミソリの切れ味。それを越えると、まさに狂気の世界。あの加速感は2ストでなければ体験できない。
トルクよりもパワーで、一気に強烈に引っ張る感じ。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ででロリアンが過去・未来に向けて一瞬農地に消えていくけど、あのイメージ。まさに瞬間移動。

ナナハンなどのビッグバイクも強烈な加速感だけど、トルクで速度を上積みしていく感じ。なのでアタマで理性的に理解できる速さだった。それに対してRZの、あの未体験で異次元、有無を言わせないスピードのノリはRZだけの魅力というか、魔力だった。

また、そういった高回転域での熱狂的なパワーに対して、低回転から中域の“だらしなさ”もステキだった。
パワーバンドの手前、6,000回転くらいまでは本当にトロい。エンジンはほとんど働いてない。トルクが薄く、回転の上がりもモッサリ。125の方が速い。

しかし、そのダメダメ感満載の温水洋一さんみたいな低中域と、堤真一さんみたいなやる気満々高速域を、シフトダウンやクラッチワークで操って、自分が欲しいスピードを出す、という作業がとても面白かった。

信号待ちで、横一線に並んだ中から抜け出したいときは、6,500回転あたりでミートさせて一気にダッシュ。自分が欲しかったポジションをゲットできたらポンポンポンとシフトアップしてタコメーターの針を6,000以下に落ち着かせて定速クルージングに移行。

また、定速クルージング中、追い越しをかけるときはポンポンと2速シフトダウン、針を7,000回転から上にもってくることで瞬間的に追い越し完了。

これが高速道路など、高速行きでのことなら、半クラッチで針を高回転側に滑らせたり。
こんな風に、はっきりしたエンジンのキャラクターを自分なりに使って、楽しく走れたわけ。あんまり楽しいので、ある日走り出してそのまま北海道まで行ってしまった。なんてこともあるくらい。

走ることは、エンジンを操ること。そしてそのエンジンが楽しければ、走りは無限に楽しくなる。
そんなことを、RZが教えてくれた。このときの体験は、僕が車を選ぶときにも大いに影響してる。

(その2:アルファ編に続く)

※画像はhttp://global.yamaha-motor.com/jp/showroom/cp/collection/rz250/より