自動車産業は、死んだかもしれない vol.3:いや、もう死んでる?

自動車産業は、死んだかもしれない vol.3:いや、もう死んでる?

 
フランスの自動車大手プジョー・シトロエンが、アメリカのGM=ゼネラル・モーターズから、自動車メーカーのオペルを買収する方向で交渉を進めている…

情報源: プジョー GMからオペル買収の方向で交渉 | NHKニュース

 

またひとつ、こうしてメーカーの民族的・文化的な“血”が薄まっていくんだな、と。

ニュースでは、規模拡大による経済効率の追求とか、Brexit(ブレグジット)の影響だとか、もはやクルマにはどうでもいいことばかり。もううんざり。

確かに自動車産業は、以前よりは衰えたとはいえいまだに社会経済を支える基幹産業なんだけどね。
社会の“大黒柱”になるに連れて、自動車産業自体はその魅力を失っている気がする。

 

本日発売された『NAVI CARS』の編集長コラムで僕が書いている「VOICE from Editor」の全文をここに掲載します。
特集企画「クルマ雑誌は、死なない。」の取材を進める中で、僕が感じたことを書きました。
もしこの文章を読んでいただき、何か“感じる”ところがあれば、

以前、雑誌NAVI CARSの河西 啓介さんがFacebookでこんなことを言っていて。それに対して僕はこんなコメントを書いた。

 

かつてのクルマ産業には歴史があり、風土があり、文化がありました。それ故「ストーリー」が成り立ったのだと思います。グローバル化され、均質化が進む今、「ストーリー」を見出すことが難しくなりました。そのことが、クルマから趣味性を奪い、ユーザーの興味を失わせ、ひいては自動車雑誌の存在理由を揺るがしていると、最近、常々感じています。確かに自動車雑誌は死なないと思います。ですが、時代の変化に合わせて新しい価値を提示していただきたいと思っています。

 

自動車業界に限らず、世界はますますひとつになろうとしている。トランプのように「そうはさせないよ」ってアメリカで怒っている人はいるけれど。でも、この流れは止まらないんだろう。

そういう大きな流れに巻き込まれ、僕が好きだった自動車の「ストーリー」がどんどん失われている。土石流が山の美しい草木を削り取って行ってしまうように。

僕にとって自動車が、単なる無味乾燥な工業製品になりつつある。