「四輪の書」その弐。えっ!? いまはブレーキ残してコーナー曲がるの?

「四輪の書」その弐。えっ!? いまはブレーキ残してコーナー曲がるの?
ツクバ TC2000にて

ブレーキは直線で終わらせる。
というのが僕ら昭和時代のよい子の、スポーツ走行の不文律だった。

だって、シャシーだってタイヤだって、それこそブレーキだってプアだったからね。ABSもなかったし。旋回中、ブレーキかけたらどこか飛んで行っちゃう。
なので、クルマの姿勢を乱すブレーキは、クルマが安定している直進状態のときにすませて、旋回はそれから。直進・ブレーキ・旋回、それぞれのアクションは分けてやるのがお約束だったんですよ。

ところが!
本屋でふと手にした雑誌に、「ブレーキを残しながら曲がる」とか出てたわけですよ。何じゃそりゃ?って思わず手にしてビックリ!!何と、ブレーキかけたままコーナーに入っていくんですね。まったく、今どきの若いもんときたら(笑)。

そんなことしたら危ないでしょー! というのはもはや昔の常識。
「死火山」「休火山」というのがなくなって今ある山は全て「活火山」になったり、足利尊氏だと思ってた武将が実は「別人かも」となったり、時代とともに常識が変わる、そんなコペルニクス的変換(大げさ)がドライビングの世界にもあったわけなんですね。

シャシーもタイヤも、ABSだって標準装備された今のクルマだったら、旋回中、ちょっとぐらいブレーキがかかっていても、安定して受け止められる。それで可能になった今どきのドラテク(死語?)、それがこのブレーキ作法らしいです。すごい進歩。

ブレーキでフロントタイヤをぎゅーっと路面に押しつけて、その後徐々にブレーキをリリースしながら、それに合わせてハンドルを切り込んでいく。そうすることで、タイヤをぎゅーっと路面に押しつけられたまま、そのトラクションが「止まる」方向から「曲がる」ことにスイッチされていく。そうやってタイヤを上手く利用しながら効率的に曲がっていこう、というのがその趣旨らしい。

とある走行会にて。画像と本文はあんまり関係ありません(笑)

以前、サーキット走行会に参加したときに、プロのレーシングドライバーの運転するクルマの助手席で体験したことがあったけれど、一度ノーズダイブした鼻先が、路面に押しつけられたまま、そのままの姿勢でくーっと回り込んでいく。
アンダー強い強い、と思いこんでいたFFのホットハッチがそれこそクルッと回っていく、あの様子は印象的だったな。

サッカーでリフティング真似るみたいに、人が上手にやってることを自分もやりたくなるのが男の子。実際に僕もやってみましたよ、ブレーキ残し。でもでも、これがひじょーに難しい。

まず一般道ではたぶんできない。上手い人ならできるんだろうけど。
フロントにブレーキで充分なトラクションをかける、ということは、つまりは急ブレーキを踏むということなので、公道でそれやっていたら危なくてしょうがない。

で、サーキットでやるわけだけれど、例えば、ツクバ2000の第2ヘアピン。あそこで何度か体験することができた。
突っ込みでノーズダイブ、ブレーキをリリースしながらハンドルを切る、そうすると、なんと! 勝手にクルマの鼻先が回り込んでいってくれるんですよ。うちのアバルト プントでもできた!!

一回できたら、何度でもやりたくなるのが男の子。でもヘタレな僕はなかなか同じように再現できない。
特に右足でブレーキを緩めながら、静かにハンドルを送り込んでいく、この足と腕の共同作業がなかなか難しい。あるときなんか、ブレーキを急激にゆるめすぎて、思ったよりも激しく向きが変わってしまったり。またあるときはその逆で、スピードが速すぎて旋回に移行できない、ブレーキングアンダーの状態になってしまったり。

なかなか思うようにいかないね。昔からやって馴染んでいたことは、急に変えられないね。なんて思ってたわけですよ。

そんな矢先にばったりと本屋さんで出会ったのがこの「四輪の書」。
ブレーキを残して旋回するまでの道のりが、ブレーキかける編、ハンドル回す編、コーナーのライン取り編など操作別体系別に書かれている。

ひとつのことをするのに、その道のりは険しそう。
険しそうなんだけど、これができたら凄いよね。
と思って、いそいそと本を片手にレジに向かったおっさんなのでした。

・・・そんなわけで、しつこく本の紹介。ホント、これイイですよ。
僕みたいなヘタレには、「基本のき」から自分のドライビングを見直す上でとってもタメになる。

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