夏の終わり。アルファGTVと、ガレージ33の大将の、楽しく切ない思い出。

夏の終わり。アルファGTVと、ガレージ33の大将の、楽しく切ない思い出。


なーつかしーなー!
思わず声を上げてしまった。

いまのアバルト プントに乗る前、つぎはどんな車にしよう? とあちこちのショップやディーラーに行って試乗していた頃の画像が出てきた。

2012年、いまから5年前のちょうど今日、8月31日。夏休み最終日で家でゴロゴロしていた子どもを連れて、昔アルファロメオに乗っていた頃、お世話になっていたショップ「ガレージ33」に行ってみた。
そのとき、メモ代わりに撮ったのがこの画像。

 

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ガレージ33は僕が住んでいるエリアでは旧車アルファロメオで有名なショップで、僕はそこで昔、1750ベルリーナでお世話になったことがある。
当時、僕はこのショップに置いてあった、外装オレンジ/内装タンの1750GTVがカッコ良くてオシャレで欲しくて欲しくて欲しかったんだけど、僕が良いと思うモデルはみんなもそう思うらしく、つまり高かった。確か、最終的に僕が買ったベルリーナの2倍くらいの値段だったんじゃないか。

ショップでは豊富な経験をもとに、暖機のしかたからウェーバーキャブの調整のしかた、メカの弱点、ケアの方法など“旧車との付き合い”をイチから教えてくれた。
大将もメカも愛想は良くない(ゴメン)けど、こっちから質問したりするととても親切に答えてくれて、ときには作業の手を止めて工場で実車を使って教えてくれた。キャブ調は難しくて、何度も教わってやってみても自分ではうまくセッティングが出せずメカのかたにお世話になっていたけれど。

で、この写真を撮った2012年前後、子育ても一段落(勝手に自分で段落付けてた気がするw)したし、趣味のクルマにもういちど乗りたい、としたらやっぱりアルファロメオに乗りたい、ということでまっ先に思い付いたのがこのショップだった。

かなりご無沙汰だったにもかかわらず「久しぶりだね」なんて僕のことを憶えてくれていて、ニコニコと迎えてくれた大将。ちょっと太りましたね、なんて挨拶したり。
メカはさすがに当時の人から別のかたに代わっていて、その人が見せてくれたのが冒頭のアルファGTV。確か、3LのV6、規制前のモデルで乗りだし「80万円くらいで良いよ」なんて言われた記憶がある。
あのGTVが80万円で乗れるんだ! ってグラッときた(笑)。

この画像はイメージです(笑)

最初にメカのかたのドライブで近所をぐるぐる。その人がまた飛ばすんだ。住宅街の道でも2速レッドゾーン手前まで平気で回しちゃう。でもそのときの音とか安定性が、やっぱりアルファ、違う。
「好きに乗ってきていいよ」と、ハンドルを預けられて僕も1時間近く走らせた。

アルファV6はやっぱり別格、たからもの。
ピンと調律されて高回転まで上りつめていくフィール、そのときの、俊敏とかリニアとかそういう陳腐な言葉では言い表せないレスポンス、まるでドライバーの心を読んでいるかのような優しくて頼もしいタッチなんだ。そして代名詞のように言われている官能的なサウンド。ドライバーが運転していて“こういう音が聞けるとうれしいな”と思うそのものズバリがアクセルを踏んでいて聞こえてくる。
それらが渾然一体となって、まるでクルマと一体になって走っているかのような、あの何とも言えない幸福感・・・

あの試乗に行ってから、もう5年も経つのか。

あのとき笑顔で迎えてくれた大将が亡くなったことを聞いたのは、去年。
その話を聞いて、お線香をあげにお店へ行ったのも、あれもたしか8月のことだったと思う。
ショップに設えられた仏壇に手を合わせていたら、昔のことをいろいろ思い出した。当時、僕が結婚して生活環境が変わり思うようにベルリーナに乗れなくなってお店に戻すとき、大将は「だったらつぎのクルマはこんなのにしたら?」なんて親身に相談に乗ってくれたり。本当に、根っからのクルマ好きだった。

そんな8月も今日で終わり。
秋の訪れを前に、GTVの写真を見ながら、ちょっとしみじみとしてしまった。

クルマは走る。人生は続く。

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