ダサカッコいいのが、アルファのセダンだよ[ アルファロメオ 2代目ジュリアを見て思う ]
- 2017.10.10
- アラフィフのキモチ アルファロメオ イタリアンカー クルマ
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アルファロメオ、近代に入ってからのミドルサイズ4ドアセダンの、ホイールベースとトランク容量を調べてみた。
アルファのベルリーナって155くらいまではどことなく野暮ったくてでも他にないデザインで、そんな“ダサカッコいい”たたずまいが大好きだった。
で、そのダサカッコいいデザインになった理由のひとつが、トランク容量じゃないか、と思ったわけ。なのでその容量と、ボディサイズの比較のためにホイールベースを引っ張り出してみた。
■初代ジュリア スーパー:2510mm/データなし
■1750ベルリーナ:2578mm/データなし
■アルフェッタ 1.6:2510mm/480L
■2代目ジュリエッタ 1.6:2510mm/データなし
■75 1.6:2510mm/500L
■155 2.0 TwinSpark:2540mm/525L
■156 2.0 TS:2595mm/378L
■159 2.2:2703mm/405L
■2代目ジュリア:2820mm/480L
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イタリアでは4ドアセダンを「ベルリーナ」と呼ぶ
1960年代に大人気となったジュリア(105系)シリーズのベルリーナ、その中でも高性能版として1965年に登場したのがジュリア スーパー。2代目ジュリアでもそのグレード名は継承されている。
その拡大版として1967年に登場したのが1750ベルリーナで、これは僕が買って乗って、アルファが大好きになるきっかけになったモデル。
その後、トランスアクスルのアルフェッタ、2代目ジュリエッタ、75と続いて、


FF化された155、
レトロデザインでヒットした156、GMと共同開発した159ときて
FRに戻った最新の2代目ジュリアになる。
トランク容量が一番大きかったのは、155
昔からベルリーナは、人も荷物もたくさん載せられるのが隠れた美点だった。なので、どのモデルもトランク容量はたっぷりとられていた。
ジュリア スーパーと僕が乗った1750ベルリーナは古いせいかトランク容量のデータは出てこなかったけれど、どちらもかなり大きかった。1750は天地方向は薄かったけれど、前後方向にスペースがあってたくさん入った。このクルマで実はキャンプにも行ったことがあるけど収容力はバツグンだったね。
近年のモデルでトランクが一番大きいのが155で、なんと525Lもある。僕も実際に見たとき、あまりのでかさにナンジャコリャ!とびっくり。この中にもう一人くらい乗れるんじゃないか、と思ったほど。
デザイン重視になった156ではいったん378Lと小さくなり、159で405Lに回復、そして2代目ジュリアで480Lになるけれど、それでも最盛期の155と比べると小さい。ホイールベースもいまや2820mmにもなってリッパになった。155からから30センチ近くも大きくなっている。
そのボディサイズでこれまでのベルリーナの“流儀”を考えると、2代目ジュリアはもっとたくさんのトランク容量があってもいいはず。でも“たったの”480Lだ。
こうしてみると、155をピークにトランク容量があまり重視されなくなってきたようだ。
でもそのおかげで、156なんかセダンにありえないフォルムと各部のデザインが実現できた。その後のモデルも同じ延長線上にあるといえるだろう。
アルファ伝統のベルリーナは、155まで!?
でもね。味があって好きだな、と思うのは155までのモデルなんだよ、僕にとっては。75なんて、とっても好き。
デカいトランクをナントカごまかそうとしてウェッジシェイプにしたり、Cピラー後ろを微妙に盛り上げたりしているけど、フォルム全体のダサさはやっぱり隠せない。
そのダサさをディテールのデザインでごまかそうとラインやモールを上塗りするように入れたりしてるうちに、何となく独特な風合いのクルマが出来上がってきた。このあたりのモデルのデザインを見ると、そんな気がしてならない。
最初見たときはかなりの違和感で、カッコ悪いとさえ思うほどのデキ。だけど、徐々に見なれて、さらにレース仕様とかもちょくちょく見るようになると、なんだか「カッコいい」って思うようになる。
モデル末期になると、このデザイン変えちゃうなんてもったいない! とさえ思うようになる。
75や155は、そういう、えもいえぬ滋味のような味わい深いデザインだった。イタリアの詫び寂があるデザインですよ。ホント。
それから比べれば最近のアルファ ベルリーナは最初からカッコいい。仮面ライダーでデビューした男優みたいだ。
2代目ジュリアもきっと売れるでしょう。誰が見てもシュッとしたデザインで、155みたいにエグくないからね。
でも、このデザインが3年後、5年後、そして10年後見たときに、やっぱり「カッコいいな」って思えるんだろうか。そこがかなり疑問。
こんな感じでトランク容量とデザインの関係を見ると、アルファ(あるいはイタリア)の伝統的なベルリーナの歴史は、155を最後に途絶えたんじゃないか、とさえ思える。
155のあと、アルファは完全にフィアット傘下になってしまったし、159はGMとの合作だし。そうやってワールドワイドになっていくとともに、アルファというかイタリア車が持っていた伝統的なクルマづくりのポリシーとかデザインも薄められていったんだろうと。
2代目ジュリアのトランク容量は3シリーズやCクラスとまったく同じ
ちなみに2代目ジュリアを、最新のBMW3シリーズやメルセデスCクラスとも比べてみた。
■2代目ジュリア:2820mm/480L
■BMW 3シリーズ Sedan 318i:2810mm/480L
■メルセデスベンツ C200:2840mm/480L
ほら、あんまり変わらない。というか、トランク容量なんてレギュレーションで決められたように480Lでみんな一緒。もしかして談合してる?
この中では後発にあたる2代目ジュリエッタが“先輩”の両車を見ながら、「このくらいでいいよね」と決めたディメンションなんだろう。
きっとディーラーで「こんどのジュリアは、3シリーズやCクラスと同じトランク容量を確保しています(なので乗り換えても安心)」なんてセールスするに違いない。
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ショーワな世界を唄わせたらピカイチの剣さん。
今回のエントリーはこれ聞きながら書きました(笑)
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