EV報道、やっと読める記事が出てきた。ウォールストリートジャーナル「EVがガソリン車に代わる日、専門家3人が予想」

EV報道、やっと読める記事が出てきた。ウォールストリートジャーナル「EVがガソリン車に代わる日、専門家3人が予想」
http://jp.wsj.com/articles/SB11110569098026974559004583516543120588274 より、テスラのEV「モデルS」生産現場(カリフォルニア州フリーモント)

セバ氏:アナリストらは今、2007年に初代iPhoneが登場した時に専門家たちが犯したのと同じ間違いをしている。つまり、 ノキア 製の携帯電話が100ドルで買えるのに、誰が600ドルのスマートフォンを買うのかという誤解だ。スマートフォンは単に電話をかける以上に多くの機能を備えた優れた製品だった。同様にEVは内燃自動車より優れた製品だ。

アルサーディ氏:確かにEV支持派のアナリストは、EVの成長の見本としてスマートフォンを取り上げている。ただ、私自身はこれがEVにどう当てはまるか分からない。スマートフォンは当時、従来のノキア製携帯よりも高い価格帯だったが、より多くの機能が搭載された優れた製品だった。一方でEVは、より高い価格なのに製品としては劣っている。これは、いったん補助金が廃止されれば確実に失敗の方程式となる。 出典:The Wall Street journal「EVがガソリン車に代わる日、専門家3人が予想」http://jp.wsj.com/articles/SB11110569098026974559004583516543120588274

そうそう、こういう多面的な記事が読みたかった。やっと本質的な議論というか未来の着地点の確認が始まってきた。この有料のウォールストリートジャーナルの記事は面白かった。やっぱり無料の捨て記事はダメだな。クズでしかない。

EVとか自動運転といった新しいトピックに対する報道は、いままでは興味本位というかアクセス数目当てのビックリドッキリする内容をどうやってでっち上げようか、仕事が少なくなった自称“評論家”もどうやってその片棒を担ぐか、みたいな悲惨な状況、しかも書く記者自身やメディアも知識が乏しく中身も貧素だったので、まったく読む気がしなかったんだけど。

 

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このWSJの記事では、次の3人に取材している。
1.著述家で起業家のトニー・セバ氏:発言を読む限り急進派、楽天的なお花畑系?
2.持続可能な経済成長を研究するシンクタンクのケイト・ゴードン氏:視野が広い中間派、未来志向?
3.投資顧問会社のプリンシパルで著述家のナワール・アルサーディ氏:消費者、生活者寄りの現実派

セバさんが、

2030年までに、「サービスとしての輸送」と呼ばれる新たなビジネスモデルの中で、オンデマンドの自動運転EVが米自動車の走行距離の95%を占めるようになる。

なんて、日本でもよくいる目立ちたがりのITエンジニアみたいなビックリ発言をすれば、

ゴードンさんもセバさんに同調して、中国とインドの情勢を視野にEVの普及は進むと言う。
ただし現実的には、化石燃料自動車からEVへの乗り換えは個人の経済状況(EVに買い替えられるか)に大きく左右される、と見ている。

アルサーディさんは、バッテリーや航続距離など、EVには未解決の問題(=消費者の不便)がたくさんあり、そこまでは楽観できないんじゃないの? という立場。

そんな、三者三様の主張が展開されたあとで、冒頭の引用部分に至る。
引用部分に関しては、僕はアルサーディさんの意見に賛成。セバさんが言うほど今のEVは高性能でも多機能でもないし、単に価格が高く性能も機能も不完全な移動ヴィークルでしかない。

iPhoneがアプリで機動性や多用途性を獲得していったように、今後、EVが自動運転やコネクト機能を獲得していったら別の話だけど、そこまでいくにはまだまだ時間がかかりそう。
それに、iPhoneと違って充電ステーションなどの社会資本や、運用(運転)する側の意識改革も欠かせない。たかがハンドヘルドの情報端末と、社会の交通インフラは一緒には語れないでしょ。

今後は、こういう状況がない交ぜになってコトが進んでいくんだと思う。
でも、どのみち化石燃料から再生可能エネルギーへのシフトは変えられないし、それがどんなストーリーになるのか、期待しすぎず適度にツッコミを入れながら流れを見ていきたいと思う。

もちろんその間も、僕はガソリン自動車に乗って、アクセル踏んづけますけどね。

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この原稿を書いていたらなぜ過去の映画を思い出した。未来って、なんだかこうなりそうで怖い(そうだ、新作も見なきゃ!)