ブレーキがダメなクルマは楽しくない。[ メルセデス・ベンツ CLA180 シューティングブレーク乗ってみた記1 ]

ブレーキがダメなクルマは楽しくない。[ メルセデス・ベンツ CLA180 シューティングブレーク乗ってみた記1 ]

※メルセデス・ベンツ CLA180 シューティングブレークを借りて乗ったんですけど、今回はその感想。

ブレーキが使いにくい、ピーキーすぎる。

そんなことを感じながら帰宅して、僕のほかに乗っていた家族3人ととその荷物を降ろし、クルマを返すために僕ひとりで乗り出したら、なんと! ブレーキの問題は全部解決してた!!

軽いタッチでキュッと効くし、コントロールの幅も広い。ただし、僕1人だけの乗車だったら。
つまり、積載人員&荷物が多いと扱いにくいけど、少なければちゃんと効く。そういうブレーキだったわけ。
いわゆる、容量が足らない状態。ちょっと前の日本車のようだ。

もうちょっと細かく説明する。
4人乗車+荷物の状態で一般道を走っていて、ブレーキ踏み始め、たいした減速感が得られないから、もうちょっと強く踏み込むと、そうすると今度はガンと効いてしまう。隣に座ってる家人の首がガクンと前に揺れて、急激な減速Gが立ち上がったことが分かる。後席の家族から「なんかあったの? 急ブレーキ踏んで」とブーイングが出る。

要は、ブレーキのコントロール幅が狭い、狭すぎる。
こういうタッチ、前に乗ったニッサン リーフもそうだった。あのクルマも自動ブレーキが付いていて、アダプティブクルーズコントロールにも活用されてた。
このクルマにも自動ブレーキが付けられてるけど、そういうクルマは、どうしてもこんなタッチになってしまうんだろうか? たぶんボッシュみたいな外部メーカーの自動ブレーキ用電子制御ブレーキシステムをまるっと組み込んでると思うけど、そのシステムがこんなピーキーで扱いづらい特性なのかもしれない。

それに、もともとこのクルマのブレーキディスク径はそんなに大きくない。特にフロント。見た感じ、リアとフロントは同サイズ。絶対的な制動力よりも、街中などで過敏すぎない(=フツーの人に違和感ない)タッチを優先したサイズともいえる。そういうこともピーキーで扱いにくいブレーキ特性に影響してるかもしれない。
ただ、そういうブレーキを、フツーの人が、フツーに踏んだら、パニックブレーキのときとか、止まりきれずにぶつかっちゃうんだけどね。

うちのアバルト プントでも今回と同じ人員乗車&積載で走るけど、乗車人員とか荷重とかでこんなに極端にブレーキタッチが変わることない。車重全体が重くなるので、僕ひとりで乗ってるときよりも制動距離は伸びるけど、基本的なブレーキタッチは変わらないので、車重が増えた分=制動距離が長くなる分を計算した踏み込み方をすれば、思うようにきちんと減速できる。

もっと言うと、ちょっと前に乗ったルノー メガーヌ グランセニック(10年以上も前のクルマだ!)の方がよく効いてコントローラブル、安心感があった。
それに対してこのメルセデス、アダプティブクルーズコントロールみたいな、カタログスペック的な機能は“進化”したのかもしれないけど、実際に走って感じるフィールは、はっきり言ってぜんぜん良くない。

何度も書くけど、今回と同じ乗員&積載だったとしても、ウチのアバルト プントだったらみっともないブレーキングにならない。10年以上も前のルノー グランセニックだって、このクルマの100倍くらいは扱いやすいブレーキだった。
全行程500kmくらい運転したのに、結局、このクルマのブレーキフィールには慣れなかったし、好きになれなかった。

ブレーキって、アクセルレスポンスと同じくらい、運転で重要なポイントでしょ。
ちゃんとスピード落とせないと、つぎ、アクセル踏めない。アクセル・ブレーキのテンポの良い操作というか連携があって、はじめて走りがイキイキしてくる。そんな大事な役割の一端を担ってるブレーキが、こんなにショボいだなんて。
ギョーカイを代表するメルセデスがこの程度とはね。ホント、ガッカリ。

クルマとしてがっかりしたことはまだあって。横剛性が低いんだ。