運転免許、男は女の5倍あきらめが悪い!? [超高齢化、なぜクルマを運転する?]
土曜日の夕方だから、流れが悪いのか。と思ったらそうではなかった。
先頭の軽自動車のせいだった。
40km/hの制限速度なのに、30km/hあたりで走っている。
郊外の一本道。とはいえ東京なので惰性的に40km/hの標識が立てられてしまっているが、見通しが良く道幅も広い。朝夕ではその倍以上のスピードで走るクルマもいるくらいだ。
そこを30km/h、制限速度さえも出せない。
あまりのスローペースに僕はアバルト プントを右折レーンに向けた。赤信号だったので、停止線で件の軽自動車と並び、ハンドルを握るドライバーが見えた。
後期高齢者、といってもおかしくない女性がまっすぐ前を向いていた。ハンドルを握るカチカチの姿勢に、ちょっと吹いてしまった。
久しぶりの運転で慣れず、初心者同然のぎこちなさで走っているのか。
反射神経とか動体視力とか、自動車の運転に必要な一般的な能力が退化して、ギリギリで運転しているのか。
ただ一ついえるのは、僕が目の当たりにしているのが日本の超高齢化社会。それの交通社会というカテゴリの今の姿だ、ということだ。
そしてこの状況は、これから高齢者がどんどん増えていくに従って、ますますひどくなっていくだろう。
制限40km/hの道を30km/hはおろか、20km/h、10km/hで付き合わされることも珍しくなるかも知れない。
最近よく聞くブレーキ誤操作による暴走や、高速道路の逆走なども増え、日本の交通社会はますますアナーキーになっていくことだろう。
高齢者って、どれだけいるんだろう。その中で免許を持っている人って、どれだけだろう。
ちなみに、日本一速い後期高齢者と言われている高橋国光さんは、今年78歳だ。星野一義さんは71歳、中島悟さんは65歳。
例えば、団塊の世代と呼ばれる年代、65〜69歳の男性人口は約466万人(グラフ1参照)、運転免許保有者は430万人で、保有率は約92%。
同じく女性人口約498.4万人に対して、336.7万人、保有率約67.6%。
男女合わせてもこの世代は約766.7万人、約80%の人が免許を持っている(警察庁データ、平成30年より)。
それやこれを人口の統計や警察庁がまとめた運転免許保有者のデータを見ていたら、あることに気づいた。
男は免許に未練タラタラ
警察庁のデータをもとに、免許保有者の数字を男女別に並べてみたら、年を追うごとに男女差が大きくなる。こんな感じに。
で、実際のその比率はどのくらいか、出してみた。
年を追うごとに、目覚ましく増える!!
80〜84歳でなんと、3.26倍。
85歳以上になると6.56倍と、まさに倍増する。
しかしこれは、免許保有者の実数によるデータ。
この年代になると男性は減り、女性は増える。
80〜84歳の場合、男性人口199.5万人に対して女性は296.0万人と、女性人口の方が1.5倍ほど多い。
この数字を勘案して免許保有の男女比率を“補正”すると、約4.84。僕ら男はこの年代ともなると女性の約5倍、免許を手放さない。運転に未練タラタラ、という状況が数字から見えてくる。
もちろん、高橋国光さんみたいにかくしゃくと運転している人もいるだろう。
過疎地でどうしても免許が手放せない、という事情もあるだろう。
だけど、年を重ねるごとにこんなに差がハッキリするのは、男女の性差以外に理由がつかない。つまり男の意地、男の見栄、みたいなものが男を免許にしがみつかせるんじゃないか?
僕ははたして、何歳まで運転できるんだろう。
冒頭のドライバーみたいに周囲に迷惑かけながら運転し続けるなんて、クルマ好きの僕のプライド(?)が許さない。そんなみっともないことになってしまうなら、とっとと免許を返納して、クルマ以外の別な楽しみを見つけたいと思う。
ただ、はたしてそれまでに、僕にクルマ以外に何か楽しいことが見つけられているか。
それが一番疑問だ!
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購入5年、2回目の車検を通した。費用のほかブレーキパッドやタイヤの残量なども。うちのアバルト プント@61,334km 2018.05.16