最近のイタ車は壊れません。残念ながら(笑)
イタ車、最近はぜんぜん壊れません。
少なくとも、ウチのプントは壊れてません。
買ってから2年。サーキットや峠をガンガン走ったりして、普通の人よりヘビーに使っているけど。
イタ車っていうと脊髄反射のように「故障は?」ってよく聞かれます。
また、維持費の高さとセットでよく聞かれたりもしますが。
で、僕のそんな答えを聞いて、聞いた方は明らかに残念な顔するんですよね。ご期待に添えなくて、すみませんねぇ(笑)。
っていうか、今どきぽろぽろと壊れるようなクルマをつくっていたら、そのメーカーの経営自体が成り立たない。すぐに淘汰されてしまいますよ。
ただ、「壊れる」という概念というか意識が、日本人とよその国の人では違っていて。
その例として昔からよくいわれるのがオイル漏れ。
日本だと「故障だ!直せ」って言い出す人が多いけど、よその国では「オイルが入ってる証拠」「潤滑の機能が作用している」って平気な人が多い、って聞いたことがあります。
電球の玉切れとかもよくあるけど、これは電球自体の寿命の場合が多いので、厳密には故障じゃないです。電球を取り替えればいいだけの問題。
あるといえば、ビスやネジできちんと止められていない、だからすぐに外れる、落下する、というトラブルもある。
昔はマフラーとかヘッドライトとか、落ちたら大変なモノが落ちたりしてたけど、最近はそんな初歩的なトラブルはあまり聞かなくなった(ディーラー内部で処理してるだけかも知れないけど)。
ちなみに、ウチのプントは、ボンネットを開けたらバッテリーの端子カバーがエンジンルームで遊んでました。納車整備の時、付け忘れたまま納車されたのだと思う。
でもそんなの、付ければいいわけだし。僕は黙って付けておいたし。
ダッシュボードのフタが取れたとか、トランクの内張が外れかけてた、とかちょいちょい聞きますが、イタ車オーナーは別に気にしてません。外れたら付ければいいんです。ただそれだけ。
それを故障だとかトラブルとか騒ぐような人は、イタ車に乗っちゃいけません。
じゃ、トラブルって何?
って言われたら、今どきは電子制御系でしょうか。
今のクルマは、電子制御のカタマリ。センサーで取ってきた情報をコンピュータで解析して、各機能がベストに機能するように指令を出しているわけです。
外気温とかエンジン内部の温度とかを各部のセンサーで検知して、最適な燃費になるようにガソリンの量を調節したり、走行スピードやエンジンの負荷を検知してギアを上げたり下げたり。また、シフトダウンの時は回転を合わせるために空ぶかしするようミッションからエンジンに指令がいったり。
最近、よく聞く話としては、その制御用センサーに何らかの理由でトラブルが出て、クルマの制御にエラーが出る。
代表的なのがO2センサーで、乗ってるとこれが悪さをしてエンジン不調になる。うちのアバルト プントはまだ経験ないけど。あと、セミオートマのミッションでセンサー異状により変速ができなくなったりとか、そういうトラブル。
だから極端な話、センサーをクリーニングしたら直ってしまうことは良くある話で。悪くてもセンサー交換。たいした部品ではないので、部品代そのものは安いことが多い。
ただし、その際、センサー交換などの修理、整備に非常に手間がかかるのがイタ車の悪いクセ。
クラッチ関連の部品交換がミッション全体を下ろさないとできない、エンジンを下ろさないとタイミングベルト交換ができない、といったように、あれとこれの作業をしないと手が入らない、といったことをよく聞く。
こういう話、ドイツ車はあまり聞かない。
比較的、整備や部品交換が必要な個所は、手が入りやすく作ってある、とドイツ車好きの友人から聞いたことがある。
それに比べたら、整理整頓が苦手な人のバッグのように後先考えず放り込んで、後から「あれはどこ?」って探す、そんな感じ?
外装デザインはカッコいいんですけどね。
あと、もっというと、例えばセンサは汚れにくかったり、熱や排気ガスから極力影響を受けないところにセットする、というのが設計の王道らしいんです。日本車やドイツ車は、そういうところはキチッとヤルらしいんですが、どうもイタリア車のエンジニアは、そういうところがちょっと「陽気(笑)」だ、という話も聞いたことがあります。
そんなわけで、手間がかかるので、工賃がかかる。日数もかかる。あとね、パーツを本国に頼んだら違うのが送られてきたり。それでまたよけいに日数かかったり。
“イタ車壊れやすい都市伝説”って、あんがい、そんなところから来ているのかも、と思ったりしてます。
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