むせび泣く、V8エンジン
とある走行会イベントで。
アバルトやアルファロメオのユーロハッチ系のイベントに、一台だけ、こんなクルマが参加。テールを沈めて豪快にストレートを加速していく。
「掃きだめにツルのよう!」といった声も。
Maseratiは、そのエレガントなスタイルだけでなく、エグゾーストも逸品。
その魅力は、“泣く”エンジン。
鉄やアルミで作られたメカニズムに、そこに火が宿り、エネルギーを発散するときに、泣くんです。
クオーンとむせび泣くように高まる音圧、金管楽器のような繊細な響き、そして、走り去るクルマから残される、美女の吐息のような排気音。
フェラーリが“吠える”のとは大きな違い。最近は同じ工場で作っているはずなのに。
クルマの性格や、作る人の主張に応じて、
同じようなメカニズムでもキャラクターが変わる。
自動車のエンジニアリングは、奥が深いと、あらためて思い直した。
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