夢のない時代になっちゃったね。［ アルファロメオ ２代目ジュリアを見て思う ］

ジュリアがいた。白のジュリア。

とある街中をうちのアバルト プントで走っていたら、でくわした。僕が運転するアバルト・プントの一台前にいた。テールパイプから見るとクワドリだ。
さっそくデリバリーされた一台なのか、それとも待ちきれずに並行輸入されたものなのか、あるいはディーラーの回送車か。

渋滞ノロノロ進行だったので、例の「新開発V6」の咆哮を拝聴することはできなかった。
それにしてもこの渋滞中、プントが2台もすれ違っていった。この一帯、イタリア濃度が高い？

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日本での正式発表から１か月以上すぎて、ニュー・ジュリア（2代目ジュリア、イタリア風に言うなら「ヌオーヴォ・ジュリア」？）がちらほらと見られるようになった。あちこちで開かれているイタ車系のイベントでもよく見られるそうだ。僕が行った埼玉イタフラミーティングでは見なかったけど。あ、そういえばテレビCMもやってる。「知性が導く、感性の高みへ。」ってキャッチフレーズで。

クルマ系メディアでも試乗記が出始めている。
血湧き肉踊るスポーツセダン
実に見事な復活劇
アルファロメオ・ジュリアの感触。
ジュリア・クアドリフォリオ　対C63／M3　第3極登場
試乗　アルファ・ロメオ・ジュリア・スーパー　Cクラス／3シリーズへの戦法とは

「軽やか」ってカーグラでは絶賛だけど、ドイツ製セダンの重ったるさにどれだけ侵されてたんだか。

それにしても、デビューしたばかりのモデルが高評価なのは、これはまぁ、ご祝儀だから。眉にツバを、しこたま塗りつけて読まないといけない。
それにだいたいのモータージャーナリストはアルファ好きが多いので（西川さんは異常）、基本「マンセー」な文章を書く。ましてひさびさのブランニュー・モデルだ。熱く歓迎しないわけがない。

そんなニューモデル・バイアスが解けた来年夏あたり、ドイツ製セダンとかととっかえひっかえ比べたりした記事とかに、本当の魅力とか欠点とかが浮かび上がってくると思う。

そんなわけで、今の時期のメディア評なんかアテにならない。
（広告掲載とかアクセス数とかめんどくさいしがらみ抜きに、自分の価値観に素直に書いている沢村慎太朗さんのメルマガだったら、どんなこと書くんだろうな？）

なので、自分で乗って確かめたいんだけど、
このスタイリング、萌えないんだ。逆に萎えちゃう。乗ってみたい、アクセル踏んづけてみたい、といった気分が、スーッと引いていく。

凡庸すぎる。ただただ凡庸すぎる。その言葉しかない。
新しい時代、新しい世界観をまとっている、ということもなく。
イタリア伝統のスタイルや流儀が込められている、ということもなく。

ノッチバックのそこそこでかいボディに、ドア４枚付けて、仕上げにノーズに楯を貼り付けて、いっちょ上がり。
あ、アクセントとしてクワドリにはサイドに穴開けいたから。って、そんな感じ。
商売の事情＝開発時間の少なさが、イタ車で大切な大切な「デザイン」を殺してしまったとしか言いようがない。

つまり、オーラがないんだよ。
それはディーラーの展示車を見たり、冒頭のように実際に日本の道路を走っているところを見ても同様。
実は、冒頭の白のクワドリ、交差点を曲がるところから対向車線で目撃してた。ということはボディのサイドラインをまじまじと見ていたはずなんだけど、なんだか白くてでかいクルマが曲がっていくなー、と思って気づいたら、なんと最新のジュリアでした（笑）。それくらいオーラが、存在感がない。

あれが、マセラティのクワトロポルテとか、最近はギブリとかでも“おっ！”と注目するんだけどね。
メルセデスC63、BMWM3とかも、街中で見かけたら“おっ！”度は高い。

こんな存在感のなさ＝目立たない佇まいで、派手好みのイタ車好きに人気が出るんだろうか。
いやいや、アルファが狙ってるのはドイツ車からの乗り換えなんだから、このくらいの地味さがちょうどいいんだよ、という声もあるけど。

ホントだったらランチア（90年代くらいまでの）がまだ生き残ってくれていて、
オーセンティックで控えめならこっち（ランチア）、
キュッと尖りたいならアルファ、といった選択ができればいいんだけど。。。

僕らユーザーにとって、クルマ選びの選択肢は、夢だ。
選択肢の数だけ、夢が広がっていく。
だけど今は、メーカーもモデルの数もどんどん淘汰され、限られた選択肢から自分の一台を選ばないといけない。

なんだか夢のない時代になっちゃったね。テクノロジーは進んだと思うけど。

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ミニカーも出てます。売れてるかな？