日本のクルマ環境は、どんどんゲスになっていく。僕らも対抗しないと。
日本の運転環境が劣化してきたというのだ。要は、ゲスになってきたというのだ。
これまで、コツンと当てた程度では自動車保険の割引等級もさして替わらず、わずかな出費で、被害者も加害者も保険会社もいわば「三方一両損」のような感じで丸く収めることができていた。
しかし、ドライバーの高齢化と、それに伴う事故の増加によって、自動車保険会社の収支が悪化してきた。そこで2013年あたりから高齢者の保険料や割引等級の見直し、さらに全体の保険料見直しなども行われるようになって、自動車保険が高くなった。
いまでは、ちょっとぶつけたくらいでも翌年から保険の割引等級が大幅に下がったりして、トータルで大きな出費となりがち。だったら相手に言わず、そのまま逃げてしまおう、という例が増えたのだと思う。
当て逃げにあった人の被害情報を共有し、加害者割り出しを支援する「当て逃げファイル」http://www.moon-cross.comというサイトがある。これによれば、被害情報の届出が2008年は201件だったのに対し、2013年には439件に増えている。民間サイトの情報統計なので、これが日本全体に当てはまるとはいえないけれど、一応の参考にはなると思う。
それにしても最近の被害情報を見ると、飲酒絡みや高齢化の弊害が書かれており、なまなましい。
19年度運転免許所持統計 総数:79,907,212人 男性:45,412,614人 女性:34,494,598人 23年度 当て逃げ事故 発生都道府県ランキング ワースト1 大阪府(前回ワースト4位) ワースト2
情報源: 事故統計情報 | 当て逃げファイル
あるところからの話によれば、無車検で乗り回している人がおり、そういう人が事故を起こす例も増えているという。
高齢になっても地方ではクルマが手放せず、かといって年金程度の収入ではクルマは維持できず、任意保険はおろか自賠責保険も払えない、つまり車検を通さずに乗ってしまっている。高齢化で運転が上手くいかず、自損事故を起こしたり、物損事故を起こしたりで周囲に迷惑を撒き散らかしている、そんなストーリーが簡単に思い付く。
高齢化は自動車の運転スキルの低下を招き、それによる事故リスクも高まっている。
それなのに、自動車維持・管理のコストは増え、支えられない人が増えている。
さらに、不況による収入の減少で、若年層でさえもコスト増加をカバーしきれなくなっている人が増えている。
しかも、このままではますます事故が増える=保険コストも高くなる一方だ。
まさに、自動車運転を取りまく環境が、負のスパイラルにはまろうとしている。というか、すでにはまっていると思う。
そんなふうに、どんどんゲスになっていく環境に対して僕らはどうすべきか?
気をつけようにも相手は隕石並みにいつやってくるか分からない。で、一番分かりやすい自衛策としてドライブレコーダーをクルマに付けた。とはいえ、型番落ちの古い商品で、駐車中の当て逃げ(Gセンサー対応)といった最新の機能はない安物だけれど。万一の際、ないよりはましだろう。
街中に防犯ビデオがあっという間に普及したように、自動運転なんかより先にドライブレコーダーを標準装備するクルマが出てきても、もはやおかしくないと思う。
最近は2,000円台からあるんですね。ちゃんと撮れるの?
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