トゥインゴに乗ったらスマートFourFourが気になったので試乗したら・・・断然トゥインゴだった。

トゥインゴに乗ったらスマートFourFourが気になったので試乗したら・・・断然トゥインゴだった。

少し前、RRになったニュートゥインゴに試乗して、とても良かった。
で、良かった以上、同じプラットフォームとエンジンを使って仕立てられたジャーマンテイストのもう一台、スマートFourFourが気になったのでした。同じ素材でもフレンチ風味とジャーマンテイストは、どれだけ違うか。

 



 

いってみれば同一プラットフォーム・異文化血栓、もとい、決戦。
で、乗ってみた結果、やっぱり僕はフレンチ風味の方が好みだなぁ、と改めて思ったのでした。

トゥインゴは、オーガニックで素朴な味わい。
パタパタと素足で軽快に地面を蹴る感じが、なんとも愉快で面白かった。
柔らかく上屋を支えるサスペンションのおかげもあって、ゆらゆら、パタパタ、なんというか素朴な走り。

しかも小さな後ろ足で一生懸命に地面を蹴っている感じが、なんとも愛おしい。
前足で方向を決めて後ろ足で蹴る。犬などの四足動物が一生懸命に走っているイメージが頭の中でわいてきた。後輪駆動ってこんなに面白かったんだよね。あらためて思い知らされた一台だった。

それに対して今回試乗したスマートFourFourはがっしり、しっかりのジャーマンテイストたっぷり。
走り出したときから足回りのしっかり感が違うことが分かる。
ただし剛性とは違う。真性ドイツ車ならではの太い骨組みと硬質のブッシュでしっかりサスを動かすような感じではない。

目線が高く、上屋の重心も高いので、乗っていて左右にゆらゆら揺れる独特の乗り味はトゥインゴと同じ。
その揺れが免震装置が働いているような、何かに押さえつけられるように止まる。
サスペンションでショックを吸収してフラットさを保つような印象はなかった。なので、サスペンションの関節をトゥインゴよりもキュッと締め上げて剛性感を演出している、そんなふうに感じられた。

ホントは柔らかかったモノを、コルセットとか締め上げて硬そうにしている、みたいな?
なので、それなりの場面で、それなりの負荷をかけると“本性”があらわになっちゃわないかな、破綻しちゃわないかな? とイジワルにも思ってしまった。

自然の食感なのに、調味料とか添加剤をまぶしてムリヤリ味をこさえたような?
あるいは、根は高田純次みたいにチャラいおっさんだけど、ダークグレーのスーツなんか着ちゃってちょっとおすまししてる??
そんなミスマッチなムードが感じられたわけです。だったら最初からトゥインゴでいいんじゃん、とも。

素朴な味わいのトゥインゴに乗ったあとだから、こんなふうに感じるのかも知れない。乗る順が逆だったら、また違う印象になったかな。

室内の作りもスマートはしっかり。走り出してすぐに室内のどこかでゴソゴソ、カサカサと鳴り出したトゥインゴと違って、安っぽい低級音は聞こえてこない。

クロ基調のインテリアもシック。メーターの液晶は解像度が高くて見やすい。その右上にはトゥインゴにはないタコメーターも時計と一緒にセットされている。
ベーシックなクルマだけど装備も充実、あれこれしっかり作り込んである印象。これだったら、メルセデスとかに慣れた人からもあまり文句は出ないかな。

ただ、シートの本革のタッチやダッシュボードの硬質な素材感、エアの吹き出し口とかのいかにも“デザインしました”といった風情は、僕にはオーバーデコラティブ。こんなにゴテゴテしてなくていい。居心地が悪い。

ビックリしたのはエンジン。
セールス氏を助手席にフツーに走って戻ってきて、車内でも「これってターボ付きですか?」「はい、そうです」なんて会話していたのでてっきりターボ付きと思っていたのだけど、後で調べたらノンターボ71ps仕様だった。
トゥインゴで乗ったターボ90psバージョンと、街乗りだとあまり変わらない印象。ちゃんと低速トルクがあって、ディーラーのセールスとの2人乗りでも発進など特に歯がゆいことも無く。トゥインゴで感じたリアタイヤで地面を蹴るあの独特な感触もあった。

なので、このエンジンでツインクラッチのミッションではなく、マニュアルで走らせてみたら面白いかも知れない。トゥインゴに新しく追加されたノンターボ + 5MTの組み合わせに乗ってみたくなった!(もう売り切れたらしいけど)

ただ、一度アクセルをワイドオープンできたときがあって、そのときの回転フィールがトゥインゴのターボ版よりもかなりモッサリしていて非力で、アレッと思ったときがあった。ということもあって、余計にMTで走ってみたくなったり。

そんなわけで、やっぱり僕のココロはトウィンゴだなぁ。
このクルマの走りのフィールからすると、トゥインゴのありようの方が自然な感じがする。
スマートFourFourは、“ドイツらしさを”を気にして無理に(過剰に?)演出している感じがしてならない。

なんといっても、トゥインゴなら走っていて幸せな気分になれそう。
スマートFourFourはちょっぴり贅沢気分が味わえるけどね。
でも、これからはやっぱり、物質的な豊かさよりココロの豊かさだよ。

そんなわけで、この同一プラットフォーム・異文化決戦、
僕にとっては、楽しい気分で軽快に運転できるトゥインゴの圧勝でしたね。

試乗中、「どちらがお好みですか」とセールスに聞かれ、「どっちもいいですねぇ」とお茶を濁した僕なのでした(笑)。

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みんなね、RRの“走り”に期待しちゃってるんですよ。