「ワークス」としてなにをやっていくんだ? [ F1 アルファロメオ・レーシング]

アルファロメオ“最後”のF1、185T(1985年)

アルファロメオがワークスチームとしてF1に戻ってくる! [ Alfa Romeo Racing ]から続くエントリです。

「どうすんの、なにすんの?」
瞬間的に思ったわけ、このニュースを見たとき。

だって、アルファロメオのワークスチーム「アルファロメオ・レーシング」が送り出す2019モデルは元のチームだったザウバー製だし、それに搭載されてるのは、それはフェラーリのエンジンだし。今年の開発はとりあえず、元ザウバーのエンジニアが担当するんだろうし。

どこが「ワークス」なんだ?
どこに「ワークス」として提供する技術があるんだ?

アルファロメオは最近はレーシングマシンを作ってない。
僕が知ってる限り、アルファロメオが「ワークス」として関わっていたは、1970年代後半、ブラバムBT45とかに搭載した12気筒エンジンまで。

その後1980年代にアルファロメオの名義でコンストラクターとしてF1に参戦していたけれど、実際に活動を行っていたのはAutodeltaだったし、最後は別のレーシングチームに運営委託されてた。

1980年代、僕らおっさんを熱狂させたDTMマシン、155V6TI、あれだってフィアットグループ内でレーシングマシン開発を担っていたアバルトがメインで作ったものだ。
イタリアツーリングカー選手権やイギリスのBTCCに参戦していた155とか156とかも、アバルト=フィアット開発によるマシン。

市販車にしたって、アルファロメオは今はもうエンジンを作ってないしね。
復活したジュリアに積んでいるエンジン、クアドリフォリオ用のV6エンジンはマセラティのV8がベース、そしてそのオリジナルはフェラーリ。

 



 

その他のエンジン、ジュリア用として日本には2リットルのマルチエアエンジンが入ってきてるけど、それはフィアットのエンジン/ミッション製造部門のFPT(Fiat Powertrain Technologies)社が作っているもの。

フィアット製のプントや500にバッジを付けて「アバルト」として売ってるのと同じように、
楯のグリルとバッジを付けて「アルファロメオ」として世の中に送り出してるだけだ。極端な話。

何が言いたいかというと、
いまF1に打って出ていくような技術も目標も、アルファロメオにはもはやないわけ。

なにが「ワークス」なの?
なにを「ワークス」としてやりたいの?
なんか、振り出しに戻っちゃった(笑)。

ただね。

やっぱりアルファロメオは、レースが似合う。
サーキットを走ってるアルファロメオのマシンは、カッコいい!
これだけは断言できる。

ビショーネを身にまとったマシンを見るだけで、なんとなくうれしくなっちゃうのは、やっぱりおっさんの性(さが)なんだろうな。
でね、実は、アルファロメオ(というかフィアット)の狙いはそこなんだろうな、と思ったわけ。
それについてはまた別に書きます。