フィアット・アバルト1000ビアルベーロ ロングノーズと走った記 [ フィアットフェスタ2023 ]
- 2023.05.29
- アバルト プント イタリアンカー クルマ
- Fiat festa, アバルト1000ロングノーズ, フィアットフェスタ, フィアットフェスタ2023
フィアット・アバルト1000ロングノーズ
こうやって車名をタイプしただけでも嬉しくなっちゃうような、貴重な名車のエスコートをさせていただくことになりまして。
役得というのはまさにこのことだと。
5月28日のフィアットフェスタ当日、前泊地のホテルから会場までの約70キロ、1時間ちょっと。
いまでこそアバルトってフツーの乗用車ブランドだけど、昔のフェラーリ同様、レーシングマシンを作って売ってた会社ですから、このロングノーズもハンパじゃない。オーラが違う。
そのロングノーズを、現代版アバルト プント2台といっしょに走り出すと、これがまぁ、ステキな音がするの。魅力的な轟音。
これが1リッターのクルマかっ、っていうほど。パワー出てます、全力で行きます、って周囲500メートル四方に宣言しながら走ってる感じ。
しかも、古いクルマだからってゆっくり走らせていると逆に調子悪くなっちゃうそうで、高速では7,000回転くらいはフツーに回してるんだと!!タコメータは10,000回転まで切ってあるけど、この日はマージンを取って抑えてた。それでもいいオト。
高速道路に上がっても、これが1リッターなんスか!?って疑うほどのシャープに加速していく、轟音撒き散らかしながら。
しかも車速と排気音のボリウムが完全にシンクロしてる。音だけ先に聞こえてくるけど、ご本尊がなかなか来ない、みたいな旧車あるあるなことはなく。
目の前は60年代レースシーン
その高速道路上での音がまた、いいのよ。良すぎるのよ。
いかにもパワー絞り出してる感じの、必死の形相の爆音。音の切れっ端がトゲトゲしてる感じで、それが耳に刺さって痛い。パワー出すほど、音は汚くなっていくのよ。昔聞いたフェラーリ12気筒がまさにそれだった。あれと同じニュアンスの生きた轟音。
フツー、こういうクルマ見るのって、並べ系のイベント会場でしょ。そうではなく、走ってるまさにその音をナマで浴びながら、後から追走してる。しかも、このマシン本来の高回転域でですよ。パヴァロッティの舞台のハイライトを最前列で聴いてる。そんな感じ。なんて贅沢。
アクセルON/OFFで音が変わる。追走する僕にも手に取るように分かる。
で、アクセルを開けた瞬間、その音と一緒に、リアのフードの隙間から見えるエンジンがブルッと震え、リアタイアがガシッと画面を鷲づかみしてスピードが乗ってくる。
半世紀以上前、こんな感じで当時のドライバーがバトってたんだよな、なんてスゲー光景を俺はいま見てんだ、と爆音に包まれながら気づいた。
感動で涙ちびりそうになったよ。ここで俺のフィアットフェスタ終わっちゃってもいい、と思ったほど。ウソだけど。
その音を録ったんだけどiPhoneのマイクでは上手くひろえなかった。
abarth1000longnose
アバルト1000ロングノーズ解説、オフィシャルページより
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