フォルクスワーゲン問題の、なにが“問題”なんだろう?

果たして、フォルクスワーゲンのしたことはそれほどの悪事なのだろうか。

そもそもの始まりは、エコ狂信者が地球を救うためにディーゼル車を購入しようと呼びかけたことにある。ところが、欧州人の過半数がディーゼル車を購入するようになると突然宗旨替えをしてこう叫んだ。
「駄目だ。ディーゼル車は危険だ。こいつは窒素と酸素を結合してNOxを生み出してしまう。NOxはすぐさま赤ん坊や子犬を殺すぞ。」

当然、世界中の頭の足りない政府は彼らの意味不明な主張を受け入れ、自動車のNOx排出量の上限値を規定した。

まったくその通り!

このコラムは、イギリスBBCの人気番組「トップギア」の司会を務めていたジェレミー・クラークソンのもの。イギリス人らしいブラックジョークたっぷりの語り口は、このコラムでも絶好調ですね。

特にアメリカなんて、ガソリンが国の方針としてかなり安価に設定されている。

– アメリカ自動車協会(AAA)によれば、現在のガソリン平均価格は、1ガロン2.05ドル(約64円/L)であり、1カ月前は2.43ドル(約76円/L)、1年前は3.28ドル(約102円/L)だったことを考えると、かなり安くなっている。2015/02/02
(引用元はこちら

日本のようにガソリン税+消費税の重複徴税とかされてレギュラーで120〜130円も払わされている身からすると、もはや移住したくなるほど安い。半額じゃないか、2倍走れる!!

しかもアメリカの場合、ディーゼル燃料の方が高い。よくコンボイで走っているトラック以外、ほとんどディーゼル車は走っていない。調べたけど、アメリカのディーゼル乗用車の割合なんて、統計も出てこない(American Automobile Associationのサイトとかしつこく調べれば出てくるんだろうけど)。

つまり、それくらいアメリカ市場ではディーゼル車のことなんてどうでもいいような話なわけ。

さらに『米ではガソリン価格の下落を受け、707馬力の「ヘルキャット」エンジンが増産へ』という景気のいい話も今年の夏は聞かれたくらい。

ヘルキャットエンジンは6.2リッターのV8、スーパーチャージドで707hpだそう。燃費、どれくらいなんだろうか。『その他に2.4リッターL4タイガーシャーク・エンジンや、5.7リッターV8ヘミ・エンジン、SRTの6.4リッターV8ヘミ・エンジンも製造』とも。

スズキとかダイハツとかの技術者がツメに火を灯すようにして省燃費エンジンを作ってるっていうのに、海の向こうの大陸ではこんな野蛮なエンジンがいまだに幅を利かせてるわけですよ(それはそれで乗ってみたいけどね:笑)。

そんなふうに、ディーゼルのことなんかこれっぽっちも考えてないし、いまだにガソリンばくばく喰わせるようなエンジンを有り難がってる国から、「そのディーゼル、ちょっとズルしてるから」なんて指摘受けたって、ジェレミーじゃないけど「だからどうした」って言いたくなりません?