いいエンジンって、チョと、ポン。

アバルト ドライビング アカデミー(ADA)で。エンジンがいいと、こういうパイロンスラロームとか、だんぜん楽しい。
アバルト ドライビング アカデミー(ADA)で。エンジンがいいと、こういうパイロンスラロームとか、だんぜん楽しい。

チョっと行きたいときは、チョっと前に。
ポンっと踏んだら、ポンっと前に出る。

アクセルを踏んだ瞬間に、踏んだ分、きっちり応えてくれる。
そんな作法が徹底されているエンジンが、僕の好きなエンジン。

それがあると気持ちよく走れる。街中などで、チョっと前に行きたいときも、スッと行ける。大股にがしがし行きたいときは、ポンッと踏めばいい。

自分が歩くように、走るように、思いのままに車を進めることができるようになる。そうなると、がぜん楽しくなるんだ、僕のドライビングが。
ゴルフだってサーフィンだって、きっとそう。道具との距離が縮まって、自分の手足のように道具を扱えるようになると、その行為ががぜん面白くなる。上達だって早くなる。クルマも同じ。

僕は、楽しく走るための一番の要素は、エンジンだと思う。

それに、音。サウンド。
反応に敏感なエンジンは、エグゾーストも不思議に良い音に感じられる。
微妙なアクセル開度に応えるエンジンは、それだけきちんと「燃えて」いるからなのだろうか。その燃焼の変化は、サウンドの変化としても発散され、ドライバーの耳にも伝わってくる。

アクセルを少し開けるだけでも、エンジンが反応しスピードが上乗せされる。同時にエグゾーストも音色を変え、それが周囲のビルなどに反響して聞こえてきて、自分の走りを耳からも実感する。
エンジンが生み出すパワーを身体で感じながら、サウンドでも盛り上がる。

モーションと、エモーション。
いつでも、どこでも、身体中にエンジンの刺激を受けながら走る。それによって気分が高まり、またさらに走りたくなる、アクセルを開けたくなる。

そんなふうに、僕は楽しく走りたいから、僕はエンジンでクルマを選ぶ。
チョと、ポンを備えているエンジンを選ぶ。

※要は「エンジンはレスポンス」という話。だけど、「レスポンス」という言葉を使った時点でなんだか雑な感じがしたので、あえてその言葉を使わずに書いてみました。