新型トゥインゴはRRではなく、ミッドシップってホント?
(トウィンゴ試乗の続き)
トゥインゴは、RRと言われているけれど、そうじゃない。
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クランクケースがホイールベース内に収まっているので、本当はミッドシップ(MR)なのだそう。ルノー本社もそのように認識していて、リリースなどではそう書いてある。
で、シリンダーを45度(だったと思う)傾けていて、その斜めになったシリンダーがリアアクスルからはみだしているので、そこだけ(?)RRになる。
ということを試乗中、セールスが教えてくれた。リアのオーバーハングがほとんどないので、そういうレイアウトになったのだと思う。
なので、トゥインゴは正確にいうとミッド・リアエンジン、リア駆動。MRR? ま、クルマの性格からするとどうでもいいことですが。
エンジンルームを見たら、向かって左側にある扇風機(ファンとは呼びたくないカタチ)が微笑ましい。エンジンルームにこもりがちな熱を掻き回して、走りながら床下から排出させる。
エンジン本体や補機類でギッチギチのように見えるけど、よく見るとエンジン下はアンダーガードもなくスッカスカ。それにリアのホイールハウスにもスリットが付けられている。走りさえすれば、熱がこもることはなさそう。だけど真夏、炎天下の大渋滞で道路上に長時間放置状態になったら、どうなるか? 小さいとはいえ、ターボもあるし。
乗り味は、とても良い。幸せな気分になれる。
ふんわり柔らかい感じで回り、そして回転を上げていくエンジン。
路面のこまかな凹凸も、これまたふんわり、やさしくいなしてくれる足回り。
そんなエンジンとサスペンションのハーモニーで、自然とやさしい気持ちでアクセルを開け、ハンドルを切るようになる。
どんどん前のめりになっていく、うちのアバルト プントとは180度を超えてもうひとまわり、540度くらい違う。
昔々乗っていた、シトロエンBXやGSに通じるような、フランス車ならでは幸福な乗り心地。幸せになりたいなら、こんなクルマが良い。
前にもさんざん書いたように、アイポイントが高い視界が良い。ワンボックスほどではないけれど、SUVに乗っているような視界の良さ。
そしてドライブシャフトがないおかげで、真横に近いぐらい切れる前輪のおかげで小回りが凄い。試乗の時にわざわざ松葉のような鋭角の交差点も通らせてもらったけど、そこもなんなくクルッと向きが変えられる。
そんなアイポイントとハンドル切れ角のおかげで、シティカーとして凄く使いやすい。世田谷とかの超狭小道路でも、自信を持ってずんずん進んでいけそう。
高速コーナーも試させてもらった。速めのスピードで入ってもグラッとしない。そんなにロールしない。なのでそれほど怖くない。
フロントが軽いのでコーナーに入っても、鼻先はそれほどビビッドには反応しない。ちょっとダルな印象。
そんな鼻先の反応からワンテンポ遅れるようにして、重いお尻(MRなので胴体?)がふっとアウト側にロールする。そのおかげでクルマの後ろ半分がアウト側に振り出される。それに呼応するかのように、鼻先がインを向いて狙ったラインに乗ってくる。
アクセルを開けると、後輪が小気味よくクルマをコーナー出口に走らせる。
そんな感じで4輪を使ってぐーっと曲がっていく。FFのアバルト プントにはない挙動が楽しい。FFだとどうしても前輪にだけ神経が集中しがちだけど、前と後ろの4つのタイヤを使いこなしている手応えがスポーツを感じさせてくれる。ロールもチェックされて、安定感も高い。もともとパワーも無いから振り回せそう。
つくづく、ハイパワー版があったらなぁ、と思うけど。何度も蒸し返したくなるけど、ダメなんだよね(理由はこちら)。残念。
FFだった前モデルのトゥインゴについてはこちらご参照。実はアバルト プントを買うとき、本気で買おうと思っていた一台。
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