フツーのいいクルマだったよ。[ ルノー メガーヌ グランセニックを借りて乗った記 ]
借りるとき、
①オートパーキングブレーキ(ヘー、そんなの付いてるんだ!?)、手動で解除してね。壊れてるからw
②サイドミラー、電動格納だけど使わないでね。理由はあとで。
③サンルーフのシェード、開きにくくなっちゃったからムリに開けようとしないでね。
って言われて乗り出した。
で、走り出してすぐ、オートライトが点灯しっぱなしになって、マニュアル見ながらオートを解除することに。
小ネタ満載、なんとまあ、正しいフランス車だこと (^_^)
走り始めてすぐ気に入った。自然な走りでとってもイイ感じ。
家族がいっぱいいる、フツーのお父さんがフツーに使うにはとても良いクルマだと思った。
日本車に慣れきった人だったら「壊れてる、故障だ」って大騒ぎしそうな個体だけど、よく見れば実際の走りに直接関係するところは見当たらない。
実際、走りそのものは問題なかったし。
それから日本のこういうクルマだと、まずまっすぐ走るように躾けてることが多い。要は直進性が強い。強すぎるくらい。
あれはきっと、ヘタな人が乗ってもふらふらしないようにするためだ、と僕は勘ぐっている。「お前ら運転ヘタなんだから、まっすぐ走れるようにしといたからな」ってメーカーから言われてる気がする。被害妄想かな?
で、実際に走らせてみると直進性が高い=アンダーが強いわけだから、走っていてぜんぜん楽しくない。
メーカーへの被害妄想もあって、絶対に乗ってやんないって思っちゃうくらい。日本メーカーのは。
けど、このフランス製ミニバンはイイ。7人も乗れるのに、フツーにクルマしてる。
ハンドルを右に切れば素直に右に曲がる。左へ切れば左。首都高・新宿から外苑前に向かうくねくね道も、隣の人と話しながらリラックスして、しかもわりと速いペースを保てる。
7人も乗れるミニバンなのにフツーに走れて、その走りがフツーに楽しい。ノーマルのメガーヌよりもかなり背が高くなってるけど、ヘンにグラッとすることもないし。
良い意味でクセがなくて走らせやすい。ハンドルやブレーキのフィールもイイ。
特にブレーキ、パッドがディスクに擦りつけられてる様子が、足裏からはっきりと伝わってくる。そのフィールが良い。強めに踏むとがっしりしたタッチでちゃんと止まる。これならたくさんの人と荷物を載せても、安心して走れるだろうな。
走り始めて60km/hくらいになると、乗り味のカドが取れてトロッと、はんなりとしてくる、あの、ルノーならではというかフランス車らしいタッチも感じられる。しっかりとした作りのシートもあって、長距離になればなるほど頼もしそう(そんなに長く走れなかったけど)。
エンジンもフツーのNA。リニアなトルクで走りやすい。
3,000回転あたりから上を使えば、もりもりっとパワーが出てきてそこそこ軽快に走れる。そのときの音は、ちょっと騒がしいけど。
4速オートマは、わりと積極的に低いギアを使うタイプ。加速時にモッサリしないし、エンジンブレーキが効きやすいので、僕はこういうセッティングは好き。
フツーフツーって簡単に書いてるけど、こういうフツーをフツーに作るのは、実はけっこう難しいことだと思うよ。
ゴーンさんの命令でこうなった!?
カーグラの記事を見たら、このクルマの日本デビューは2005年。
日本導入にあたって日本のミニバンと戦うために装備をてんこ盛りしてきた、そんな感じがする。
冒頭に書いたオートパーキングブレーキとか、オートライトとか。
サンルーフだってダブルで付いてるし、さらにかさ上げされたフロアを利用したモノ入れとか、後席用の折りたたみテーブルやサンシェードとか、取り外し式カップホルダーとか、日本車なみの便利装備があちこちに。
「ほうら、いろいろ付けてやったぜ。これで文句なかろ?ムッシュ」って、ルノーの人が胸張ってる様子が目に浮かぶ。
けどね。
オートパーキングブレーキとオートライトは冒頭に書いた通り。
パーキングブレーキに至っては、動き出したのを機械的に感知してからリリースする方式なので、パッドが擦れて減りやすい。しかもそのセンサ(?)が壊れやすい(今回の個体もそうだった)。もっと利口な方法、考えられなかったのか。
サイドミラーの電動格納だって、ミラー本体がボディ側に付いてるから、格納後にドアを開けるとそれに押されて開いちゃう(苦笑)。ふつう、気づくでしょ。いっぺん使ってみれば。
日本車の豪華装備に負けないように、大あわてでいろいろ付けた、そんな感じがする。
で、最初にトラブルを書き連ねたけど、問題を起こしてるのは結局、そうやって後付けした便利機能だけだと気づく。
要は、なくてもいい装備。そのせいか、使えないモノがあっても不便を感じるようなことはなかった。
いまは収監されてしまった(これ書いている時点で)カルロス・ゴーンさんの指示でやったのかな?
クルマとしてはフツーに乗れて、フツーに良くできているので、こんなところでムダに頑張らなくても良かったのにね。
イグニッション切りてー!
クルマ降りるとき、いつもそう思ってた。
ルノーのクルマらしく、始動のときはカード式のキーをスロットに差し込んで、ブレーキ踏みながらスタート/ストップボタンを押す。
そういう先進的(笑)なシステムになってる。
で、慣れなかったのがエンジンを切るとき。
ミッションをパーキングにして → ボタンを押してエンジンを止め → カードキーを抜き → 運転席のドアを開ける。そうしないと電源がシャットオフされない、つまりラジオとか空調のファンが停止しない。
手順に慣れてないので、降りるときにいちいちオロオロ。イグニッションを切る昔ながらのやり方のほうが、昔ながらの僕には安心だった。
それにこのやり方、フツーは運転席側から必ず降りるからそれでいいんだろうけど、今回は右側ギリギリで停めないといけないときが何回かあった。
そういう場合、ウォークスルーになってるので助手席側から降りるのは簡単だけど、運転席から乗り降りしない=運転席ドアを開けないので電源が切れない! ラジオとかがついたまま。
慌ててもう一回乗り込んで、運転席のドアをすこーし開けて、バタンと閉めて、電源を切る作業が必要だった。
ルノーの設計は助手席サイドから降りることを考えなかったんだろうか。進んでるシステムなのに、なんかマヌケな感じがして、最後は愛おしさも感じちゃった(笑)。
確か最新のメガーヌこのカードキー方式だったと思うけど、いまはどうなってるんだろ?
ざめんがざんねん
都内近郊のゴミゴミしたところをちょこまか走って、それなのに燃費は10km/L台だったり、スタッドレスなのにふんわり軽い乗り心地だったり、ステレオの音が聞きやすかったり、フツーに乗る実用車としては良くできてると思った。
ただひとつ、シートの座面に不満。
フランス車らしくふんわりと快適に座れるんだけど、座面の前後長が足りない。僕みたいな昭和生まれの短足おじさんでも、あと4センチくらいは欲しいかな、と思うくらい。
限られたホイールベースで3列シートを確保しようと思ったら、前後を切り詰めるしかなかったんだろうけど。
ざめんがざんねん。
最初は開かなかったサンルーフのシェードも、何回かトライしていたら開けられるようになったし、そんなふうにもっと長くこのクルマと過ごせば、もっと楽しく乗れるようになりそう。
カードキーにも慣れるかな?
以下、いろいろ写真撮ってみた
-
前の記事
全部同じじゃないですか![ これってイタ車あるある?] 2019.01.19
-
次の記事
新スープラのことを書いておかないとね[ オートサロン2019 ] 2019.01.23