これぞ、わびサビ? イタ車のトラブルについて:その2

イタ車でよく聞くトラブルといえば「サビ」です。
1970年代くらいまでのアルファロメオの場合、ボディの合板の裏側に防錆処理をしていなかったのが原因です。あちらは空気が乾燥しているので、そんな厳密な処理はいらないんですね。

ただ日本とかだと高温多湿で、ボディの裏側などにもすぐに結露ができちゃう。それを繰り返すうちにボディの鋼板が内側から錆びて、腐っていきます。

昔々乗ってたアルファ 1750ベルリーナ。車庫保存で外装は良かったけど、それでも運転席が錆びて穴空いてました。

 

最悪、一番外側の塗装の張りだけでボディが持っていた、というクルマもあったらしいです。友だちの話で、ドアのあたりにワックスを掛けていて、その手にちょっとばかりチカラを込めたら、

ずぶズブずぶっッっ!!
って、手がボディに入り込んでいっちゃった。まるで人喰い自動車、まさにオカルト!

クルマ屋で見てもらったら、ドアの鋼板の内側がきれいに(!)なかったそうで。他にも同じような個所がいっぱいあったので、泣く泣くそのクルマは手放したそうだけど。

ちなみにそのクルマは、ちょっと古いアルファのスパイダー。
何人かのオーナーのもとで過ごして、そのたびに全塗装とか大事にされていたけど、年月がたつにつれ根本的な部分がやられちゃった、と。

そういう「危険な香り(?)のするちょっと古いクルマ」が、バブルの頃にたくさん流通してた。で、そのクルマが「イタ車は壊れる都市伝説」に輪をかけていたように思う。

いまは時間もたって、その間に不安なクルマは淘汰され、いま残っているのは、割と状態の良いクルマが多いと聞きます。
修理とかレストアの話題の中心が、どうやって直すか、というより、どうやって良くするかの方に焦点が移っているようですし。

バブルの時は投機的な目的で大枚はたいた人もいたけど、あれから20年以上たって。ホントに好きな人の手に渡って、手塩にかけられて。そうして今は、カッコいいクルマがキレイな状態で残ってる。
文化が蓄積されて、分厚くなっている感じ。これはイタ車に限らず、イギリスとかフランスとかドイツのクルマとかも同じ気がする。