人を殺すな、スピード殺せ。[ パニックブレーキの実地試験はどうでしょう ]
- 2019.04.28
- クルマ
この事件、その事故被害の異様さに加えて、加害老人の経歴なども注目を集めているけど、このエントリでは、「ブレーキ操作」に関して話をまとめたい。
パニックブレーキ、踏んだことありますか。
僕はある。スキーに行く途中、前のクルマにぶつかりそうになったとき。対向車線が空いていたので、一気にドンと踏んでABSを効かせ、ハンドルを右に切り対向車線に飛び出して、難を逃れた。
RZ(バイク)に乗ってた頃、赤信号のたびにどんだけブレーキ我慢できるか、ひとりチキンレース(笑)みたいなことで遊んでいたので、ほかの人よりは耐性があるというかなんというか。自信があるとは決して言わないけど。
でも、フツーの運転者はそうそう急ブレーキかけないでしょ。一度もかけたことない人多いんじゃない?
うちの母親は女性ドライバーとしての経験が長い方だったけど、「急ブレーキだなんておっかない!」って言ってた。実際、ふつうに運転していれば、そうそうパニックブレーキだなんて踏む機会はないし。
そういう人が、急に「急ブレーキを踏まなきゃいけない」というシーンに出くわしたとき、できる人がどれくらいいるのか。
若くて筋力のある人だって難しいかもしれないのに、ましてや年寄り、しかも膝とか腰が痛いとか言ってるような老人がどれくらいできるのか。
焦ったあげく、ブレーキ踏むつもりでアクセル踏んづけてもおかしくないし。
だったら、急ブレーキをあらかじめ体験してみてはどうだろう。
例えば、免許更新の講習で、急ブレーキの実技を課す。
アクセルを踏んで走行中、ブレーキペダルに踏み換える。そしてABSが効くまでペダルを強く踏み、クルマを止める。
時速60キロで走ってるクルマが停止するために必要な距離は40メートル弱。
ヒト型の人形を立たせ、それをめざして時速60キロで運転、約40メートル離れた場所からブレーキをかける。
急ブレーキを踏むことができて、人形にぶつからなければ、合格。
ろくにブレーキも踏めず、人形にぶつかって倒してしまったら、不合格。
年齢が何歳であっても。
で、ぶつからなくなるまで再試験。
最近のクルマは「ブレーキアシスト」みたいな機能も付いてるけど、まずは自分の力で止めてみる。それが基本。
運転は人を殺す可能性のある行為である、ということを多くの人が忘れているんじゃないか。
だから、池袋のような事件が起きる。
過疎地の移動ガー、という甘ったれた意見が止まない。
自動運転の普及を急げ、といったピントのずれた意見も出てくる。
でもね、運転は人を殺す可能性のある行為なんだよ。それは一番重い事実だぞ。
だから、試験でそれを擬似体験してもらう。人型の人形を目がけて突っ込んで、その前で止まってもらう。
人を殺す前に、ブレーキをきちんと踏んで、スピードを殺せ。
それができなかったら、運転する資格はない。
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