アバルト プントはこんなに楽しいクルマだったんだ! メルセデスCLA180で分かったこと
僕の好みには合わなかった、メルセデス・ベンツ CLA180 シューティングブレーク。乗れば乗るほど、「あ、アバルト プントってやっぱ好きだわー、自分の好みだわー」と改めて思ったのは事実。これってアレだな、いっぺん浮気して、初めて彼女の良さが分かる、ってヤツですよね。
それに、メルセデスのことを書いてると気持ちがどんどんネガに、鬱鬱となってきちゃうので、その暗い気分を晴らす意味でも、気持ちをネガポジ反転して、この機会に今まで感じてたアバルト プントの良さを列挙する。
まっすぐ走ってくれる!
ウチのアバルト プントは直進性が良い。メルセデスと乗り比べてものすごく実感した。基本、ステアリングに手を添えて、アクセル開けていれば、だいたいまっすぐ走ってくれる。メルセデスみたいな過敏な反応もないので、わりとリラックスしてハイスピードを保っていられる。
富士スピードウェイのロングロングストレート、ウチのアバルト プントでも時速190キロくらいは到達するけど、そんなときも安心して突進していられる。だから耐久レースのときなんかはそのストレートでちょっと息を抜いて、次の週に向けて気分をリセットしたりしてた。何らかの必要があって走ってるラインを変えようとするときも(高速道路の車線変更のような)、スッとラインを変えられる。そのときも別に怖くない。
気持ち良く曲がれる!
特に高速コーナー。まっすぐ走るのが得意だから、ゆるっと曲がる高速コーナーも大の得意。例えば東名高速の大井松田・御殿場間の右コース、トンネルが終わったあたりからの高速コーナーとか、このクルマで走るの大好き。
何といっても、ステアリングの入力とその反応が良い。ステアリングをどのくらい動かしたら(高速コーナーなのでステアリングは回さない)どのくらいコーナリングフォースが立ち上がったか、向きが変わる状況がステアリングからちゃんと伝わってくる。だから、自信を持って操作できる。自信が持てるから、操作がどんどん楽しくなる。ドライバーとクルマとで、ステアリングを介して楽しい“会話”ができるんだな。
これって、いわゆる「ドライビング・プレジャー」ってことでしょ。
また、ラインの変更も自在だ。中央高速、中津川あたりの山道、あのときは走行車線を走っていて、追い越し車線のクルマから不意に幅寄せされた。たぶん左サイドをよく確認してなかったんだと思う。ちょうど左の高速コーナーのエイペックスあたりだったので、イン側にはまだ余地がある。とっさに路肩のラインを半分またぐ程度にアバルト プントを寄せ、幅寄せしてきたクルマから距離をとり、難を逃れた。そんなふうに急なライン変更も、このクルマだったら難なくできる。CLAであのシーンに対応しろといわれたら・・・(以下自粛)
ディフューザーが効いてる!
高速になればなるほど、これまで書いてきた感じで落ち着いてどっしり、だけどコントローラブルに走る。ホントに、路面に張り付いたように走る。最近のクルマはサスのセッティングが進んでるから、高速になるとこんなふうにしっとり走るんだろうな、メカニカルなグリップが良いんだろうな、と。最近のクルマは進化してるから、みんなこんな感じなんだろう、と勝手に思ってた。
だけど、CLAを運転して、ぜんぜん違うじゃん!
アバルト プントでいつも走ってる道を、同じよう積載重量で、同じようなスピードで走って、その違いにビックリ!!アバルト プントもSLAも、サスペンションの構成なんて似たり寄ったり。スペックだけ見たらリアがマルチリンクのCLAの方がモダンだ。しかもCLAの方が重いので、ふつうに考えたらどっしり感はCLAの方がありそう。だけど違った。安定感もどっしり感も、アバルト プントの方がぜんぜん上なの。
で、両車で大きな違いと言ったら、リアのディフューザーがあるかないか。それと、エンジン下のアンダーカバー。
アバルト プントの下回りを初めて見たときビックリした。エンジン下がきれいにアンダーカバーで覆われて、リアはディフューザーで仕上がってる。まるでレーシングカーみたい。
ここまでカッコつけてるんだー、と感心したんだけど、実際にあの処理が凄く効いてるんじゃないか。
実際、リアハッチがよく汚れるし。
これはGTカーだね!
そんな感じでハイスピードレンジでの走行性能をみると、ウチのアバルト プントはどちらかというとグランドツーリングカー、いわゆるGTカーに近いよな、と思ってる。
GTカーっていうと、レースのスーパーGTのマシンが出てきてしまう人もいるかもだけど、そうではなく。一般的には長い距離を速く、一気に駆け抜けるように作られたクルマのこと。GTカーというと僕の場合、BMW635とか思い浮かべるんですけどね。古いかw
僕も鈴鹿サーキットとかまでこのクルマで一気にロングランしたことがあるけど、高速になるほど快適で走りやすかった。
ちゃんと止まれる!
アバルト プントは、ブレーキペダルの入力に比例して減速Gが立ち上がってくれる。どのくらい踏めばどのくらい減速できるかが、一度運転すればよく分かる。CLAのように、2次曲線的に減速Gが急に立ち上がってドライバーをあたふたさせたり、積載人数や重量でブレーキの特性が変わることもない。
ブレーキって、目標を決めてあそこまでにこのくらいスピードを抑える、ということが操作の基本でしょ。その操作がなんなくできる。スピードが思ったように落とせるから、次にステアリングを回したり、アクセルを踏んだり、そういう操作がなんなくできる。しかもテンポ良くできるようになるから、ここでも運転が楽しくなる。次、次、次と操作したくなる。やめられない、止まらない!
しかも信頼性がある。パッドをエンドレス MX-72に、ブレーキフルードをDOT5にしたら、富士スピードウェイの第一コーナーで時速190キロくらいからガツガツ突っ込んで、それで30分くらい連続走行してもなんともない。
ただ、その自慢のブレンボ・ディスクは大径で、それ故に街中とかの低速走行では、どうしてもガッツンと効きすぎてしまう。同乗者を乗せているときはペダルの踏み方に気を使う。そこが弱点かな。
- 前の記事
これで500万円近くしちゃうのかー [ メルセデス・ベンツ CLA180 シューティングブレーク乗ってみた記2 ] 2019.03.19
- 次の記事
僕の運転の方が地球にも同乗者にも優しいな。 最新アダプティブクルーズコントロール体験記 2019.03.26