MTの楽しみとは「育てる」ことにあり[ この感じ、ATじゃ味わえないっしょ ]
そういうわけで、新たに中古ミッションが付いた(ヘンな日本語だ)、うちのアバルト プント。新車のときから使ってたギアボックス(紛らわしいのでこれを1号と呼びます)と、今度の中古ギアボックス(こっちは2号)、比べてどうなのか。
2号ギアボックスは“イカの薄皮”が
「中古パーツはいろいろトラブルでるからねー、特にギアボックスは実際に動かしてみないと分からないから」とあちこちからアドバイス(脅し?w)を受けてビビってたけど、どうやら大丈夫みたい。1速から6速まで、ちゃんと入る。ちなみに2号ギアボックスを仕入れた部品屋さんは、僕の知り合いが常連さんで、聞いたら「問題は今までないよ」と。
で、そのタッチだけど「まだまだ若い、かも?」という感じ。シフト入れるとき、ちょっと抵抗がある。渋い、というわけじゃなく。もちろん滑らさを感じるけど、たくさん滑らかじゃない。歯車全体に薄い薄い膜、イカの薄皮みたいのが被さってて、その状態で噛み合わせているような。なので、シフトのとき少しだけ以前よりホンのすこーし、チカラが必要。ある程度馴染んでるけど、100パーセントではないよ、そんな感じ。
この2号ギアボックス、実走行28,000キロ時点で外された、と中古パーツ屋さんから聞いていたけど、この操作感だとそれはホントかなぁと思ってる。一番いいのは1号ギアボックスの同程度の時点でのタッチと比べればいいんだけど、そんなの覚えてるわけないじゃんw。
イイ感じで育ってた1号ミッション
そんな2号ギアボックスに対して、10万キロ使った1号は、というと。
2号で感じられるイカの薄皮感がない。何度も何度も摺り合わせして表面がこなれた金属がダイレクトに、滑らかに触れあっている感じ。摺動抵抗ははゼロなんじゃないか、と思っちゃうくらい(ソンナノナイ)。なので、文字通りスコンスコンはいる。力なんていらない。よく言われるじゃないですか「ギアが勝手に入っていく感じ」「吸い込まれる」って。まさにソレ。フツーに使っててもサクッと入るけど、ダブルクラッチを当てればさらに気持ちよくて、3→2速でも勝手に入ってくれる。2→1速も同様、あんまりやらないけど。シフトレバーが勝手に動いて、気づいたときには入ってる。めっちゃ良かったのよー。今回、2号ギアボックスに変わったとこで、そのことをあらためて実感した。
そんなふうに、使い続けることで機械を慣らしていく、使い勝手を良くしていく。これがマニュアルトランスミッションを使う醍醐味だよ。この感じ、ATじゃ味わえないっしょ。
力づくはダメ、温めて、ダブルクラッチ
これまでめちゃめちゃ気を使ってたのよ、シフト操作に関しては。
まず、力づくでは絶対に入れない。シフトレバーにある程度力を込め、すとんとギアが噛み合ってくれるまで待つ。ちょっと時間がかかる。これはサーキットとかでも同じ(だからタイムが出ない、という言い訳w)。フジの1コーナーなんか、6→5→4→3速(場合によっては2速)まで毎ラップやるからタイヘン。
また、ギアボックス本体とオイルを充分に温めることも大事。冬だとなかなか温まらなくて2速に入らない。そんなときは、そのまま1速でゆっくり走り続けたり、2速を飛ばして入れやすい3速につないだり。エンジン回転を上げるときは、必ずミッションが温まったと感じてからにしていた。
そして、1・2・3速間は、基本的にダブルクラッチ。シンクロに必要以上に負荷をかけたくない、というのが表向きの理由だけど、それ以上に「やってて楽しい」という自己満がホントの理由(笑)。最近では上記のように、勝手にギアが入ってくれるようになってたから、ますます楽しくてやめられなくなってた。
とはいえ、これらのことをやってたから今までちゃんと使えてた、という証拠はないし、結局のところ5速壊しちゃったし。その点がめちゃめちゃ残念無念。反省してます。
育てていく楽しみ、ふたたび
実を言うと、2号ギアボックスになってから、運転が少しギクシャクしてる。イカの薄皮のおかげで、シフト操作にほんの少し、微妙に時間がかかるようになった。といっても、F1の予選タイムみたいに100分の何秒か、というレベルなんだけど、それでもテンポが変わるのよ、特にシフトチェンジのときのブリッピングで。1号では「バン・バン」でリズミカルにチェンジできていたのが、2号になったら「バン・・バン」ってやらないと、みたいな。
こんな2号ミッションもこれまでと同様に育てていけば、1号みたいなタッチで使えるようになるんじゃないか、と淡い期待を抱いてるんだけど。とすると、あと10万キロ走らないといけない!? あ、すでに28,000キロいってるから、ということは7万キロちょい??(細かすぎ)
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