東京モーターショー 2015 見てきた記:スポーツの復権、なるか?
ちょっとワクワクした。
だって、スポーティなクルマを各社、前面に押し出していたから。
トヨタはG’s仕様のアクア、ヴィッツ、マークII、さらにプリウスαをずらりと。さらに、小型FRスポーツのSFRも。
日産はニスモ、フェアレディZやノート、さらにグランツーリスモバーチャルスポーツカーをカタチにしたビジョン グランツーリスモなども。もはやバーチャルじゃない?
マツダは何といっても、ロータリー復活。RX-VISIONのほか、“初号機”のコスモも展示していた。自社の歴史を大事にするメーカーは、将来もきっといいモノを作ってくれるに違いない。
一方、販売でもレースでもこれからの巻き返しが期待されるホンダの主役は、ニューNSXがブースの中心。それと並べて、逆襲が期待されるマクラーレンホンダと、モトGPのマシンも大きく展示。その奥には、二輪のデザイナーが提案したというネイキッドマシン、ホンダ プロジェクト2&4と、日本発売間近のシビック R。
図上に大きく掲げられた「超えるんだ」というスローガンが彼らのポジションや危機感を表現していた。
その他にメルセデスもAMGを前面に出し、F1とGT300のマシンを並べていたり、アウディがWECを戦うマシンを持ってきていたり、スズキが往年の人気車種「アルトワークス」を復活させていたり、スバルもWRXベースのS207をワールドプレミアムしたり、スーパーGT参戦中のGT300マシンを展示したり。
しかも、どのメーカーも展示ポジションがブースのメインの一を占めている。エコや環境に変わるメインテーマのひとつとして、モータースポーツに焦点を当ててきたのは明らか。
クルマオンチのテレビなどのメディアはメーカーからのリリースを受け売りして、やれ燃料電池車がー、スマホ間隔のつながるクルマがー、などとレポートしているけれど、そんなのは、明日のメシの種にはならない。単なるアドバルーンでしかない。
それより、やっぱりメーカーも「走りたい」んだ、と思った。
誰よりも速く、気持ち良く走るのは、クルマのDNAじゃないですか。
電気モーターなどの新しいテクノロジーを組み合わせたり、ロータリーみたいな封印した技術を復活させたり、これまでのノウハウを活かして手軽なスポーツカーをいまの時代に復活させたり。
スポーツカーの展示を前に、メーカーの説明員らしきスーツの人と客が笑顔で話していた。おもちゃを手にした子どものような、屈託のない笑顔で延々と話していた。
スポーツ復権。それを感じてうれしくなった、今年のモーターショーだった。
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