ムリなEV化、欧州自動車メーカーの足並みが乱れてきたぞ [ トヨタの主張がますますリアルになってきた ]

ムリなEV化、欧州自動車メーカーの足並みが乱れてきたぞ [ トヨタの主張がますますリアルになってきた ]
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岡崎五郎さんのFacebookで、ステランティスのプレスリリースが紹介されていた。
で、読んでみたらビックリ!
大事なことなので、ここにも引用します。


ステランティス 「Freedom of Mobility Forum(モビリティの自由を考えるフォーラム)」を創設、今日の社会が直面するモビリティの緊急課題に取り組むため

・持続可能な社会的モビリティの課題を広く公開討論する場として、毎年開催
・ステークホルダーを幅広く招聘し、360度視点とファクト・ベースのアプローチにより、考えをシェアし建設的に議論
・ステランティスは、政界へのロビー活動から市民やステークホルダーとのより直接的な対話への移行を進める方針で、2022年末のACEA(欧州自動車工業会)退会と軌を一にする決定
・これらのアクションは、世界の動きに先駆けて道を切り拓くというステランティスの企業理念に基づき策定された長期戦略計画「Dare Forward 2030」の一環

2022年6月13日、オランダ・アムステルダム発――ステランティスN.V. (NYSE / MTA / Euronext Paris: STLA) は、「Freedom of Mobility Forum(モビリティの自由を考えるフォーラム)」の開設に関する発表を行いました。年1回の公開ミーティングとして開催されるこのフォーラムでは、問題を解決する能力を持つ人々が事実に基づく意思決定に取り組み、地球温暖化に直面する社会において、クリーンで安全かつ良心的な価格のモビリティ(自由な移動)をもたらす方法を模索していきます。フォーラムは2023年初頭に開催予定で、共通の目的に向かって取り組む多種多様な専門家を招待し、さまざまな問題をあらゆる角度から分析し、解決策を見出し迅速に行動することを目標としています。

ステランティスCEOのカルロス・タバレスは、次のように述べています。「私たちの前に立ちはだかる環境課題の解決並びにビジネス環境の急激な変化への対応には、持続可能なモビリティの構築に貢献したいと願うすべての人々を巻き込んだ、効率的かつグローバル、そして包括的な360度アプローチが必要です。弊社は、そのように願う人々が脱炭素モビリティの議論を取り巻く重要な問題に対処し、我々が共に取るべき次の手段を提供すべく、皆が一同に会する場所として、公開討論会を開催する予定です。世界中で、市民のクリーンで安全かつ良心的な価格のモビリティ(自由な移動)アクセスが危機にさらされています」

「Freedom of Mobility Forum(モビリティの自由を考えるフォーラム」」は、さまざまな専門家から成る諮問委員会によって企画・調整されます。招聘される専門家には、交通・技術提供者、学者、政治家、科学者など、自動車業界の多様なステークホルダーを代表する方々を予定しています。また、フォーラムでは、以下の取り組み方針の下で、厳選されたトピックごとに討論会を開催する予定です。

・グローバルな視点:フォーラムでは360度アプローチにより課題に取り組む
・ファクト・ベース:フォーラムでは事実に基づき物事の本質や可能な解決策を導き出す
・透明性:フォーラムを一般公開し、すべての見解が公開されることを保証する
・互いへのレスペクト:参加者は誠実かつ尊重的かつ協力的な態度で取り組むものとする
このフォーラム創設の発表の一環として、ステランティスは、年内に欧州自動車工業会(ACEA)を脱退することを正式に発表します。

当フォーラムの詳細については、後日発表する予定です。
(以下略)

※出典:ステランティス プレスリリース 2022年6月15日付、Webページはこちら

EVの“イ”の字も書いてない!

「持続可能な社会的モビリティの課題」を解決するためにステランティスが独自のフォーラムを立ち上げる、というのがこのプレスリリースの趣旨なんだけど、
この議論にこれまで必須だった「EV(ないしはBEV)」のことが一切書かれていない!

その代わり「360度アプローチにより課題に取り組む」とある。
それはつまり、「EVに限らず、水素など幅広い選択肢の中から、ユーザーのニーズに合わせてベストな解決策を見つけていきたい」というトヨタの主張と重なる、と僕には映る。
そのことをトヨタは、直近の定時株主総会でも主張していたし。

これまでの欧州系企業だったら、カーボンニュートラル化 = EVしかないっしょ、という信念のカタマリで、
“カーボンニュートラルでサステナブルな未来を開くために、EVの開発と供給にウンヌン”といった内容の文章が必ずあったのに。
EVとかそういう手法論はさておき、これからの「モビリティの自由」をイチからみんなで考えましょ。ということなんだろう。

ステランティスは、フィアットやプジョー、シトロエンが合併してできた、欧州系の自動車メーカーで、世界4位のシェアを持つ。そのビッグカンパニーがこんなリリースを出すなんて(驚)。
EV化を主張し、強力に推進している(というポーズをとっている:理由は後述)フォルクスワーゲングループなどドイツ系メーカーに、真っ向から反旗を翻したわけだ。
上記引用の、最後の5つの箇条書きは、彼らへの当てつけのようにも読める。

欧州自動車工業会(ACEA)を脱退

で、返す刀(?)で、このように言ってる。
「政界へのロビー活動から市民やステークホルダーとのより直接的な対話への移行を進める」
「年内に欧州自動車工業会(ACEA)を脱退」

国とか、業界とか、そんな狭いところのしがらみなんか捨てて、
多くの人と、人の未来や地球全体のことを広く考えていきたい。
ということなのか。

この欧州自動車工業会が、我々の社会に対してどのくらいの影響力を持っているのか分からない。というか、日本の自工会の影響力がいまいちピンときてないので、欧州がどうなのか、まるで分からない(笑)。なので、脱退したときのインパクトがどれだかるか計り知れない。ただ、この工業会には見たところ欧州だけでなく日本や韓国の名だたる企業も加盟している。そこから抜ける、ということはある程度の影響はあるんだろう。

一方で、そこまでやるからには、ステランティスが新しく始めるフォーラムで価値ある提言などがないとみんな納得しないし、こっちの方を振り向かないよね。とも思ったり。

ますますリアリティが出てきたトヨタの主張

ただ、ここにきてドイツ系メーカーも、トップが「EV化はムリなんじゃね?」と発言してる。
BMW CEO warns against electric-only strategy
Volkswagen Group CEO: shift to EVs can’t be accelerated yet
※これもソースは岡崎さんFacebookだけどw

去年初めぐらいまでは「課題解決にはEV化しかあり得ない」「俺らはそれを実現するぜ」って雄叫びを上げてたドイツ系メーカーが、この尻すぼみですよ。
「欧州の手のひら返しは今に始まった話しじゃない」と岡崎さんも言ってるけど、ほんそれ。

こうなってきたら、
「脱炭素対応の選択肢を狭めない」
「ゴールは(EVの普及だけではなく)カーボンニュートラル」
というトヨタの主張が僕の中では、ますますリアリティが高まってきたんですけど。

スーパー耐久レースに参戦、先日のフジ24時間レースを完走した水素エンジン車も着実に進化してるようだし、モビリティの良い未来をぜひとも見せてほしい。

トヨタ水素エンジン車
https://www.as-web.jp/domestic/828189/attachment/asimg_087a2811_4a62a8413a2c870 より