あぶねーよ、ふざけてるよ、オートパイロットとかいう“自称”自動運転機能 [ テスラ 米国で200万台リコール ]

あぶねーよ、ふざけてるよ、オートパイロットとかいう“自称”自動運転機能 [ テスラ 米国で200万台リコール ]

トップ画像は新発売の4座オープンカー、ではなく、テスラの事故車。ルーフがもげちゃってる。
どうしてこんなになっちゃったかというと、トレーラーの下をくぐっちゃったから。こんな感じで。ワイスピじゃあるまいし。

※この記事のトップ画像は上記ムービーのキャプチャです。

で、なんでくぐっちゃったのか、それはテスラのオートパイロットのせい。
ちなみにこの事故発生は、オートパイロットをONにした10秒後、ドライバーは衝突の8秒前からハンドルを握っていなかったとのこと。
上記ムービーで、ワシントンポストの記者がリポートしてます。

米国当局がついにキレた、危険な「テスラの自動運転」

こうした危険な事故に、ついに米国当局がキレたわけです。
お前らが売ってるオートパイロットって、ぜんぜん自動運転できてないし(だってレベル2でしかないもんね)、このままだと事故が増えるばっかなので何とかしろ! って。で、しぶしぶテスラも認めて、今回の200万台のリコールになった、と。
ただ、肝心のリコール対策は、「ちゃんと監視しなさい」とドライバーに警告するのがメイン。なので、テスラが「オートパイロット=自動操縦」「FSD=完全自動運転」と名付けて、すべておまかせ〜♪と言わんばかりの、このウソまみれの機能の精度や性能の向上に手を付けたわけではない。つまり、中身はなーんにもかわってない、まだまだ低レベルなまま、ってコトですね。

リコールの内容と対応について、詳しくは下記リンク先の記事で。
日本の大手メディアは通信社からの原稿のコピペばっかだし、特に日経はEVヨイショ、テスラマンセーなので信用してない。

このデータによると2021年7月から2022年5月15日までに報告されたADAS搭載車両による衝突事故367件のうち、およそ4分の3(273件)がテスラ車によるものであったことが明らかになっています。※ADAS:Advanced Driver-Assistance Systems、先進運転支援システム
テスラのオートパイロット搭載車両がすべてリコール対象に、リコール対象の車両は200万台超に(Gigazine)

しかしながらNHTSAは、オートステアの制御が、SAEレベル2運転支援の誤使用を防止するのに充分でない場合がある、と判断した。※NHTSA:National Highway Traffic Safety Administration、米道路交通安全局
テスラ、200万台をリコール…運転支援機能の誤使用防止が不充分(Response)

テスラ側はNHTSAの分析結果に同意しなかったが、「自主的にリコールを実施し改善策を提供する」ことに同意したという。
テスラが「自動運転機能」の“問題”を修正、米国でほぼ全車両をリコールへ(WIRED)

※上記ムービーの出典もと
テスラが200万台リコール。自動運転の不備はアプデで修正(gizmode)

日本のテスラは大丈夫なのか、第2のプリウスにならない??

今回のリコール、テスラが「米国で売った約200万台」が対象、と記事に書いてあるけど、日本でもFSDを追加したテスラは走ってるようなので、気になる。テスラの日本語サイトには、今日見たときは発表はなかった。ググったけど、そこまで言及した記事とかは見当たらなかったですね。日米では法令が違うから、機能も違うのかな。

事故を起こしたテスラ車
https://www.gizmodo.jp/2023/12/tesla-recall-online-update.html より

2022年、日本で売れたテスラはたったの6,000台しかない。ちなみに、同年の乗用車販売台数は約345万台、ポルシェでさえ7,200台くらいは売ってる。なのでオートパイロット・テスラの暴走事故を見るのは、宝くじの一等に当たるよりも確率は低そう。
とはいえ、危ないモノは危ないですから、ヤバいモノはヤバいですから。万一の事故でも、それが自分にあたっちゃったりしたら悲惨すぎる。“ロケット・プリウス”に続いて、暴走・FSDテスラにも、注意した方がいい。

こんなふざけたネーミング、ふつうのメーカーだったら絶対にしない

僕は仕事で日本メーカーのエンジニアと話す機会をたくさんもらってきたけど、彼らはマジメ、とにかくマジメ。勤勉と誠意のかたまりのような人ばかり。技術のことはもちろん、自分たちが実現していること、実現できていないこと、到達すべき目標と現在地点、顧客の利益、それらをしっかりと把握していて、技術や製品のブラッシュアップに毎日誠実に向き合っている。尊敬しかない。僕の仕事分野はITとか製造とか家電とかだけど、自動車の領域もきっと同じはず。

そんな日本のエンジニアだったら、
「オートパイロット:自動操縦」とか
「FSD:完全自動運転」なんて、
まやかしの言葉でこしらえたネーミング、きっと秒でキョヒる。日本じゃなくても、自分の仕事にマジメに向き合ってるちゃんとしたエンジニアだったら、絶対に認めない。現状、自動運転はぜんぜん初歩的な段階だし、まだまだ生煮えの機能ばっかりだから。
それに、ユーザーに間違ったイメージを与える非常に不適切なネーミングなので、ガバナンス面からもふつうの企業なら絶対に採用しない。テスラ以外の自動車各社が同様の機能を「運転支援」とか言ってるのがその証拠。
僕でさえ最初に目にしたとき、なんてふざけたネーミングだ、って思ったんだもの。

そんなわけで僕は、このスタートアップの会社は“売らんかな”が強い、もしかしたら人命軽視のメーカーなのかも、とリスペクトする気になれなかったんだけど、次の引用記事を読んで、やっぱりと思った。

テスラ車が関与した死亡事故は報告されているだけでも393件に上るが、うち33件はオートパイロットが関連したものだ。シュミットが指摘するには、イーロン・マスクは「ドライバーの死をテクノロジーを発展させる上で不可避なものとして容認している」という。
自動運転技術に重大な問題? テスラの内部資料が示唆する「技術的な限界」(WIRED)

これ書いてたら気分悪くなった。フェラーリF1の快音でスッキリしましょ。