この先、何人殺せば、自動運転は完成するんですか。
『Uber、自動運転中の初の死亡事故で公道でのテスト停止』(ITmedia NEWS・上の画像も)
ついに、ついに。犠牲者が出てしまいました。
死亡事故を起こした実験車両が、2020年までに死亡事故ゼロを宣言しているボルボ製だったことも、かなり皮肉。
自動運転のテストでちょこちょこと事故は起こってたみたいだけど、それは対物事故で、今回のような人身事故が報道されるのは初めて。しかも死亡事故。
「人身事故が報道される」と、わざわざ書いた。だって、きっと事故は今までにもかなり起きてるはず。公道上でなくてもテストコースとかで。
道路から外れて側溝にはまったり、フェンスにぶつけたり。そのときに乗員がちょっとぶつけてイテテとなったり、骨の1本や2本折ったり。きっとやってるはず。だって、きわめて不完全なシステムなんだもん。
宇宙開発で今まで何回も事故があって、何人もの人がケガをしたり死んだりしているけど、規模や数はともあれ、あれと同じようなことがこれまでの自動運転開発でもきっと起こってるはず。
ただ、宇宙開発と自動運転が決定的に違うのは、自動運転はコンシューマー製品ということ。
僕らが普段生活しているこの社会の空間で、誰もが使うモノだ。だからその開発は、僕らの社会空間≒道路で行われる。ということは、その空間で暮らしている僕らも、今回の事故のように開発の巻き添えとなる可能性がある。
つまり、自動運転の開発は完成するまで、これから当分の間、社会のリスクになるわけだ。今回の死亡事故で改めて思った。
宇宙という僕らの社会とは離れた空間で、ごく限定されたスタッフのみが携わる宇宙開発とはそこが全然違う。
今後も、自動運転開発に伴う事故は起こるでしょ。だって、まだまだ不完全なシステムだから。それに交通の状況は不確実のカタマリだし。さらに、交通やクルマの動きを理解しているとは思えないエンジニアも開発しているし。
だからといって開発をやめるわけにはいかないでしょ。この開発競争ってチキンレースみたいになってるからね。やめたら負け、退場。だから事故を起こそうが人を殺そうが、続けるしかない。
で、開発にあたって、公道での実証実験は必須だ。日本でも、これからきっと、あちこちで自動運転のテストカーが走り回るようになる。
まだまだ不完全なシステムなので、ちょこちょこぶつけたりするのは仕方ない。
でも、殺人自動運転だけはゴメンだ。開発者の方々には、自分の命に代えてでも、他人を殺さない自動運転を開発してください、とお願いしたい。
僕らも自動運転カーを見つけたらボーッと見てないで、避けたり逃げたりして“えんがちょ”する訓練が必要だ。
以前、こんなのも書きました。
『人を殺す前提の自動運転なんて、ありえない。絶対に。』
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