ノーマルモードって、Sな感じ。[ うちのアバルト プント、僕の密かな楽しみ]
プントのノーマルモードは情けない。ノーマル/スポーツと2つある、エンジンの出力特性を変えるあれだ。
特に極低速、発進時。トルクがスカスカ(普通の1.4リッターとしてはトルクある方だと思うけど)な上にタービンが小さいとはいえやっぱりターボなのでレスポンスも悪い。さらに、1速のギアがイタリア流ウルトラローギアードなこともあり、クルマがちっとも前に出て行かない。
パワーない × レスポンス極悪 × ローギアード、の三重苦が発進のたびにドライバーを苦しめる。
ノーマルモードが情けなく感じるのは、スポーツモードがパワフルだからということもある。しかもウチのはThreeHundredのROMに書き換えたおかげでさらに獰猛になって、3,000回転あたりからの炸裂感がたまらない。
ノーマルモード自体はノーマルのまま(日本語がヘンな感じ)なので、ノーマル←→スポーツの落差が一段と激しくなっている。そのせいもあって、情けない感じがいっそうひしひし。ホント、情けないです、ウチのノーマルモードは。
でもね、それがいいんだ。僕には。
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“1粒で2度おいしい”感じ
ノーマルモード、低速はトルクが薄いけれど、3,000回転になればちゃんとパワーが出てくる。一応、カタログにはMax163psってあるからね。
で、そこまでの回り方も気に入ってる。2,000から3,000回転に上がる間際くらいから、ちょっと元気にトルクもパワーも付いてくる。段付き加速。
あのフィールは昔乗っていたバイク、RZ250のピーキーな感じにどこか似てる。RZの場合は6,500からムズムズとし出して7,000回転にもなればエンジンが調律されたかのようにレスポンス良くなり、トルクとパワーが一気に吹き出しはじめる。
いま考えると、あのバイクのエンジンは、プントでいうノーマルモードとスポーツモード、両方を兼ね備えていたようなもの。1粒で2度おいしかった。
前のクルマにパッと追いつきたいとき、あるいは隣の車線の空いているスペースに潜り込みたいとき、そういう“企み”があるときは低いギアのままタコメーターの針を6,000回転付近でスタンバイさせておいて、タイミングを見計らって半クラッチとアクセル操作で一気にエンジン回転をパワーバンドに入れ、瞬間移動するみたいにバイクを加速させる。
そういう乗り方がRZはとても楽しかった。
情けないプントに、アクセルでムチ入れる
あの1粒で2度おいしい感じが、どことなくプントのマルチエアエンジンにもある。
ノロノロ、モサモサと発進加速に苦しみながらクルマを何とかスピードに乗せ、2速、3速に繋ぐ。でも“企み”があるときは、他のクルマのようにだらだらとシフトアップしたりせず、低いギアでそのまま待機。オッケーのタイミングでもう一段階深く踏み込むと、RZほど鋭くないけれど、パワーが立ち上がって見る見る前との差が縮まる。
気分は、オーケストラの名指揮者、あるいは、武豊のゴール前のムチさばき!?
そう、まさにムチを入れる感じ。アクセル操作ひとつでクルマにムチを入れ、「ほら行くぜ!」とばかりにモッサリと情けないプントを、ちょっと元気なプントに変身させる。
御し切っている感じ。あるいはちょっとSが入る感じ。スポーツのSじゃなくてSとMのSの方。
で、レバーをスポーツモードに切替えたら、もっと過激なパラダイスが待ってるし。
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ドラレコのマイクロSDの容量が足らないので、これで増やしました。
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