うちのアバルト プント、ここがイイね:新しいけど、古い

うちのアバルト プント、ここがイイね:新しいけど、古い
夕映えの箱根でたたずむうちのアバプン。お気に入りの一枚。
夕映えの箱根でたたずむうちのアバプン。お気に入りの一枚。

出来合いのクルマを磨いて、凄いクルマを作る。

誤解を恐れずに言うなら、アバルトってそんなメーカーだ。
チンクエチェント、セイチェントの一連のモデルがそうだし、シムカやポルシェなどのモデルにも腕を振るった。ま、最後の方は、オリジナルも開発していたけれど。

そんなアバルトの“流儀”が、うちのアバルト プントにも流れている。
単なる実用車を、アバルトが徹底的に「走る実用車」に磨き上げた。これまで築いてきた技術やノウハウを活かして。

まさに、出来合いが磨かれて、凄いクルマになってる。
以前にあったような、アバルトのバッジを付けただけのコスメティークチューンではなく、メーカーとして許せる範囲ギリギリのチューニング。

たとえば、ギャレットの大径ターボチャージャー。それに合わせて高燃圧でも負けずに火を飛ばすようにプラグは9番としたり、爆発に負けないよう10W50という硬めのオイルが指定されていたり。

こんな仕様は、フェラーリやポルシェなら当たり前のことだろうが、それが実用車ベースのうちのプントに施されていると思うと、ちょっとグッとくる。しかもそれが伝統のアバルトの手によるものだということを考えたら、もう後光が差しているようにしか見えない(笑)。これぞまさしく、ブランド崇拝。

だけど実際に走らせて、スペック以上のパフォーマンスを感じさせているところに強烈な説得力がある。それが、僕が“信者”になった一番の理由。サソリのマークをただありがたく拝んでいるわけではないよ。

単なる実用車に追加されたアバルトの技術とノウハウ、そして実際に感じられる冴えたパフォーマンス。
しかもプントはアバルト再興のシンボルだっただけに、アバルトの技術者の熱意も込められている。

「アバルト プントでは少々やり過ぎた」

と、あるインタビューでアバルトの担当者が言っている。

やり過ぎ、ぜんぜんOK! ウェルカム!!
このやり過ぎがあるからこそ、すごく楽しい。乗っていてエンジンを止めたくなくなる。

新しいモデルに込められた、伝統のアバルトの技術と熱意。
そんな新しいけれど古いアバルト プントが、僕はとてもとても大好き!

再興に先立って「アバルト S2000」でラリーに出場、
確か、ヨーロッパチャンピオンを獲ったと思う。
そんな話題づくりも上手いよね。