アバルト プントはなぜ楽しいのか。[ ドライバーにシンクロするハンドリング ]
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“アバルトは楽しい”という話はよく聞くけど、じゃ、その「楽しい」と言うことはどんなことなんだろう? アバルト プントに乗り始めて4年、自分なりに分かってきたこと、何となくこうじゃないか、ということを自分のクルマをベースに考えてみた。
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ハンドル操作の通りに曲がる
当たり前じゃないか、と思う人もいるかもしれない。
でも僕の経験では、ハンドル操作の通りに曲がるクルマは、本当は少ない。
ふつう、「自分がこう曲がりたい」と思って、その気持ちを「ハンドルを回す」という行為でクルマに入力する。
で、その入力に対してタイヤの向きが関わり、基本ジオメトリーやサスペンションの作用もあって、クルマは「曲がる」という反応を示すわけだ(ほかにブレーキやタイヤの作用もあるけど、ここでは割愛)。
で、そのとき思ったよりも曲がらなくて(アンダーが強くて)ハンドルを切り足したりするクルマがけっこうある。この間乗ったチンクエチェントの最新モデルなんかもそうだった。
でもアバルト プントはそのときの「反応」が絶妙なわけ。
走りながら次のコーナーやストレートに備えて「次はクルマをあそこに持っていきたい」と予定し、その狙ったライン通りにクルマを走らせるわけだけれど、そのときのハンドル操作がつねに最小限ですんでいる。
しかも、速度域が上がるほど操作に対する応答時間が短くなる。シャープな反応になるとも言える。
50km/hと100km/hでは、走っているときの操作のタイミングや速さ、繊細さはまったく違う。遅く走っているときはそれなりのタイミングや速さ、スピードが増せばタイミングの正確性が求められるし、そのときの操作もスッと速く行う必要がある。さらにセンシティブに入力してあげる必要も出てくる。
そういう走行状態の変化にもアバルト プントはその瞬間や速度域に、ピッタリな反応を返してくれる。
それはまるでドライバーとクルマの「シンクロ率」がどんどん高まるような。
昔チョイ乗りさせてもらったロータス7(本家のセヴン)でも、同じような“シンクロ”を感じたのだけれど、あの感覚がこの重いFFのクルマで感じられるなんて、すごいと思う(ちなみにロータス7はもっと低速時からシンクロを実感できた)。
このシンクロの絶妙さ、走ることで実感できるシンクロの高まりこそ、アバルト プントのハンドリング、楽しさの本質だ。
ドライバーの気持ちとシンクロするハンドリング
スピードを上げていくと、フロントタイヤのレスポンスが2次曲線的に高まり、少ないハンドル操作で俊敏にクルマが向きを変えていく。
特に中〜高速コーナーではコーナーをズバッと切るように、シャープに曲がっていく。あのときの自由自在な操作感、クルマとの一体感、そこからくる気持ちよさといったら!!
次々と迫ってくるコーナーを、もっと速くもっと速くもっと速く攻略したくなる。そんな僕の気持ちが分かるかのように、アバルト プントもシュアなレスポンスで応えてくれる。
エヴァ初号機に乗ったシンジくんが戦うほどにシンクロ率を上げ、目覚ましい攻撃性を発揮し、目の前の“コーナー”という名の使徒を猛然となぎ倒していく、みたいな(言いすぎ? 笑)。
もうそうなると止まらない。止められない。僕とプントはひとつになって、次々にアクセルを開けて次々とコーナーをやっつけていく。
なぜそんな走りを見せるのか。その理由として「サスペンションのブッシュのセッティングが絶妙」という評価をよく聞く。以前見た清水和夫さんのムービーでもそう話していた。
このセッティングの妙、ドライバーの気持ちを知っていてそれを刺激するかのように作り込んでいくノウハウや技こそが、“サソリの毒”などといわれるゆえんだと思う。
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